6. 指標及び目標
(1)指標及び目標
当社グループでは、中期経営計画“Passion for the Best”2026の策定にあわせて、2024年度に、サステナビリティKPIを新たに設定・公表しました。
指標及び目標
気候変動対応に関連するサステナビリティKPIの例 | 目標 2026年度 | 実績 2024年度※1 | 戦略的取組み例 | ||
---|---|---|---|---|---|
指標 (グループKPI) |
自社のGHG排出量※2 | 連結 | ネットゼロ (2030年度) |
2,725t-CO2e | 自社のカーボンニュートラル実現 |
投融資ポートフォリオのGHG排出量※3 | 連結 | 186~255 (2030年度) |
243g-CO2e/kWh | 自社のカーボンニュートラル実現 | |
SDGs関連債リーグテーブル | GIB | 2位以内 | 1位 | サステナブルファイナンスの推進 | |
その他の気候変動対応に 関連するサステナビリティKPI |
グリーンビルディング認証比率(DOI/DLI/DLP)※4 | 大和リアル・エステート・ アセット・マネジメント |
DOI:65% DLI:20% DLP:25% |
DOI:67.5% DLI:23.2% DLP:37.6% |
サステナビリティを意識したソーシング・投資推進 |
オフィス・データセンターへの再生可能エネルギー切替率 | 大和総研 | 100% | 100% | 自社のカーボンニュートラル実現 | |
サステナビリティ関連商品の買付経験顧客数 | WM | 継続的な拡大 | 59,035口座 | サステナビリティを意識した商品・サービスの開発や投融資の推進 | |
GX移行債のプライマリー・ディーラー落札ランキング | GM | 3位以内 | 1位 | サステナブルファイナンスの推進 | |
サステナビリティ関連投資残高 | 大和エナジー・インフラ | 1,800億円 | 1,318億円 | サステナビリティを意識したソーシング・投資推進 | |
ESG投融資残高 | 大和ネクスト銀行 | 1,000億円 | 1,209億円 | サステナビリティを意識した商品・サービスの開発や投融資の推進 |
- ※12025年3月末時点
- ※2自社のGHG排出量はScope1+2の合計(マーケット基準)
- ※32023年度実績。投融資ポートフォリオのGHG排出量の対象は、電力セクターへのプロジェクトファイナンス。一部推計値を含む
- ※4DOI:大和証券オフィス投資法人、DLI:大和証券リビング投資法人、DLP:大和証券ロジスティクス・プライベート投資法人
(2)GHG排出量(Scope1・2・3)
当社グループはカーボンニュートラル宣言において2030年度までの自社のGHG排出量(Scope1・2)ネットゼロを目指しています。これらの目標達成に向け、GHG排出量を毎年モニタリングしています。
なお、実績値の集計対象範囲及び算定方法については「Appendix 2. GHG排出量の集計対象及び算定方法」をご参照ください。
GHG排出量の実績(2024年度)
(単位:t-CO2e)
分類 | 2024年度※ | |
---|---|---|
Scope1 | 841 | |
Scope2 | マーケット基準 | 1,884 |
ロケーション基準 | 25,033 | |
Scope3 | カテゴリ6 出張 | 1,002 |
カテゴリ7 通勤 | 1,860 | |
カテゴリ8 リース車両 | 1,411 |
- ※第三者保証については2025年8月に取得予定
投融資ポートフォリオのGHG排出量
当社グループは、カーボンニュートラル宣言にて掲げる2050年までの投融資ポートフォリオのGHG排出量等(Scope3)ネットゼロに向けた具体的な道筋を明確化するため、当社グループの投融資ポートフォリオ排出量において最も大きな割合を占める電力セクターのうち、プロジェクトファイナンスに関する2030年度までの中間目標を設定しています。中間目標に加えて、PCAF基準に基づいて計測した実績値、及び目標達成に向けた取組みは以下の通りです。
2023年度実績の計測
2023年度の実績は、従前に比べて対象範囲を拡大させ、高排出セクターに限定しない形で計測を行いました。また、投融資先のScope1・2に加えてScope3も計測しました。
計測範囲
- セクター:全セクター
- アセットクラス:上場株式(REIT含む)、非上場株式(REIT含む)、社債、商業用不動産、コーポレートローン、プロジェクトファイナンス
- ※対象は、大和証券グループ本社の出資先・AM部門の運用先(自己保有分。ファンド経由の非上場株式除く)・大和ネクスト銀行の運用先
- ※商業用不動産・コーポレートローンは該当無し。また、その他のアセットクラスにおいて、対象が無い場合はハイフンを、端数処理で切り捨てとなる場合は0を表示
- ※一部、PCAFのデータベースに基づく推計値を使用(但し、同データベースにおいても参照できない対象は除外)
2023年度実績
(単位:t-CO2)
単位 t-CO2 |
Scope1・2 | Scope3 | |||||
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上場株式 (REIT含む) |
非上場株式 (REIT含む) |
社債 | プロジェクト ファイナンス |
||||
電力(発電) | 56,675 | 0 | 166,683 | 397,634 | 620,993 | 175,009 | |
運輸 | (航空) | 40,091 | - | - | - | 40,091 | 8,642 |
(海運) | 429 | - | - | - | 429 | 536 | |
(陸運) | 105 | 0 | 0 | - | 105 | 42 | |
金属、鉱業※1 | 1,984 | 14,426 | - | - | 16,410 | 14,332 | |
化学品 | 239 | 2,507 | 0 | - | 2,746 | 4,746 | |
不動産 | 1,204 | 397 | 10 | - | 1,611 | 2,924 | |
自動車製造 | 37 | - | 656 | - | 692 | 13,149 | |
包装食品、肉 | 532 | - | - | - | 532 | 898 | |
紙、林産物 | 332 | - | - | - | 332 | 293 | |
石油・ガス | 267 | - | 0 | - | 267 | 678 | |
資本財※2 | 152 | - | 0 | - | 152 | 18,030 | |
石炭 | 57 | - | - | - | 57 | 27 | |
鉄鋼 | 45 | - | 0 | - | 45 | 35 | |
アルミニウム | 24 | - | - | - | 24 | 85 | |
農業 | 22 | - | - | - | 22 | 11 | |
建材 | 11 | - | - | - | 11 | 2 | |
飲料 | 3 | - | 0 | - | 3 | 19 | |
セメント | - | - | - | - | - | - | |
その他 | 3,426 | 45 | 183 | - | 3,654 | 24,003 | |
合計 | 105,638 | 17,374 | 167,532 | 397,634 | 688,178 | 263,461 |
- ※1鉄鋼・アルミニウム以外
- ※2建物等
中間目標に向けた進捗、目標達成に向けた取組み
当社は2023年度に、当社グループの投融資ポートフォリオ排出量の中で、現時点で最も大きな割合を占める電力セクターのプロジェクトファイナンスについて、2030年度までの中間目標を設定しました。
増加する電力需要を支えつつ、クリーンエネルギー化を同時に進めていく必要があるため、GHGの排出効率を示す排出原単位(発電量当たりの排出量)を計測指標とします。また、目標についてはパリ協定の目標である、2℃目標を十分に下回り、1.5℃目標と整合的である水準として、IEAのNZEシナリオ、APSシナリオに基づき、レンジでの削減目標を設定しています。
2023年度実績は、投融資先の発電効率の向上及び再エネ投融資の進捗を受け、2022年度実績※より減少しました。なお、投融資ポートフォリオ排出量の計測は未だ開発段階にあります。そのため、計測結果は推計方法の見直し等により、大きく影響を受ける可能性があります。
今後は2030年度中間目標及び2050年ネットゼロ達成に向けて、投融資先とのエンゲージメント強化や、再エネ向けファイナンスを実施します。目標設定における考え方や目標達成に向けた取組みの詳細は、投融資ポートフォリオの温室効果ガス排出量のネットゼロに向けた対応をご参照ください。
- ※2022年度実績は379g-CO2e/kWh
電力セクターのプロジェクトファイナンスに関するGHG排出量(対象はScope1)
2023年度実績値※ | |
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総排出量 | 387,431t-CO2e |
排出原単位(g-CO2e/kWh) | 243g-CO2e/kWh |
PCAFスコア | 平均PCAFスコア 2.73 |
2030年度中間目標値 | |
---|---|
指標 | 排出原単位(g-CO2e/kWh) |
目標値 | 186~255 g-CO2e/kWh |
参照シナリオ | IEA NZE・APS |
- ※一部推計値を含む
(3)炭素関連資産
脱炭素社会への移行に伴い、GHG排出量の大きい炭素関連資産は将来その価値が大きく低下するリスクがあり、また保有を続けることでレピュテーショナルリスクが生じる可能性があります。
また、気候関連リスクに関するシナリオ分析の結果によると、中長期的には自社の炭素関連資産に対して相応の財務的影響が生じる可能性があります。そのため、気候関連リスク(移行リスク)に対して脆弱な資産の指標として、TCFD提言の補足ガイダンスの炭素関連資産の定義を踏まえ、炭素関連資産の状況を開示しています。
2024年12月末時点での炭素関連資産の総額は、全セクター資産総額の32.3%に相当する約5,500億円となりました。なお、炭素関連資産の総額は、2024年12月期当社グループ連結財務諸表上の数値を元に算定しています。
当社グループは、炭素関連資産のリスク程度を精査した上で、特に高リスクの炭素関連資産について中長期的な削減に向けた取組みを進めていきます。
炭素関連資産の内訳
項目 | 投資・出資 | 大和ネクスト銀行 CLO |
大和証券 自社株担保融資 |
合計 |
---|---|---|---|---|
エネルギー | 10% | 5% | 0% | 15% |
運輸 | 1% | 6% | 1% | 8% |
素材・建築 | 51% | 21% | 2% | 73% |
農業・食品・林業 | 0% | 4% | 0% | 4% |
合計 | 62% | 36% | 3% | 100% |
- ※1集計対象:投資・出資、大和ネクスト銀行CLO、大和証券自社株担保融資
- ※2エネルギーから水道、独立発電、再生可能エネルギー事業者は除外
(4)役員報酬
取締役及び執行役の報酬は、報酬委員会において決定しており、基本報酬、株価連動型報酬、業績連動型報酬で構成されています。
業績連動型報酬の算定においては、中期経営計画“Passion for the Best”2026において数値目標として掲げる各KPIを参照しています。気候関連のKPIとしては、SDGs関連債リーグテーブル・自社のGHG排出量・投融資ポートフォリオのGHG排出量が含まれます。
業績連動型報酬を算定するための業績評価は、財務情報を用いた業績KPIに基づく財務業績評価に、業績KPI以外のKPIを総合的に評価したクオリティ評価を反映します。財務業績評価及びクオリティ評価は、報酬委員会にて決定しています。
業績連動型報酬は、役職ごとに定めた基準額に業績評価を掛け合わせ、個人の貢献度合いを反映のうえ算定します。
業績連動型報酬の評価体系
財務業績評価 (100) |
± | クオリティ評価 (-20~+20) |
|||||
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カテゴリ | KPI | 配点 | 基準値 | KPI | 基準値 | 実績値 | |
業績 | 連結ROE | 40 | 10% | 9.8% | |||
連結経常利益 | 40 | 2,400億円 | 2,247億円 | ||||
ベース利益 | 20 | 1,500億円 | 1,375億円 | ||||
お客様資産 | 預り資産 | 120兆円 | 90.2兆円 | ||||
ストック関連資産 | 13.6兆円 | 9.8兆円 | |||||
AM部門AUM | 44兆円 | 34.9兆円 | |||||
デジタル | デジタル案件価値創出件数 | 10件 | 2件 | ||||
デジタル案件トライアル件数 | 50件 | 45件 | |||||
サステナビリティ | SDGs関連債リーグテーブル | 2位以内 | 1位 | ||||
エンゲージメントサーベイスコア | 80%以上 | 81% | |||||
自社の温室効果ガス排出量 | 2030年度ネットゼロ | - | |||||
投融資ポートフォリオの温室効果ガス排出量 | 186~255g-CO2/kWh | - |
取締役及び執行役の報酬等の額
役員区分 | 報酬等の総額 (百万円) |
報酬等の種類別の総額(百万円) | 対象となる 役員の員数 (名) |
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基本報酬 | 株式報酬I | 業績連動型報酬 | 退職 慰労金 |
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金銭 | 株式報酬II | 株式報酬III | ||||||
取締役 | 66 | 57 | 8 | - | - | - | - | 3 |
執行役 | 1,777 | 517 | 157 | 852 | 182 | 67 | - | 12 |
社外取締役 | 139 | 130 | 8 | - | - | - | - | 8 |
- ※取締役と執行役の兼任者(5名)の報酬は、執行役に対する報酬等の支給額の欄に記載
- ※業績連動型報酬は、当期分として支給予定の額を記載