サプライチェーン・マネジメント

サプライチェーンにおけるESG課題への対応

大和証券グループでは、サプライヤーの皆様にもESGへの取組みにご理解とご協力を頂けるよう、「サプライヤー行動規範」を定めています。

「大和証券グループ サプライヤー行動規範」

(2023年5月1日制定)

Ⅰ. はじめに

大和証券グループは、企業理念の一つに「社会への貢献」を掲げ、高い倫理観を持って社会の持続的発展に貢献することを目指しています。当社グループは、この企業理念に基づき持続可能な社会の実現に貢献するため、サプライチェーン全体で人権、労働基準、環境などの社会的責任に配慮した調達活動を行っており、サプライヤーにも同様に倫理的なビジネス及び責任ある調達活動に取り組んで頂くことを期待しています。

当社グループは、このたび、サプライヤーとの関係をより確かなものへと進化させるため、「大和証券グループ サプライヤー行動規範(以下、「本行動規範」)」を制定しました。本行動規範は、当社グループに製品・サービスをご提供頂く全てのサプライヤーが遵守すべき基本的な指針を定めるものです。各項目につきましては、「国連グローバル・コンパクト10原則」、「ビジネスと人権に関する指導原則」、「OECD多国籍企業行動指針」などをもとに制定しております。

サプライヤーの皆様におかれましては、以下に掲げる項目へのご理解とご協力を宜しくお願い致します。なお、「サプライヤー」とは製品・サービス・役務を当社グループに提供する第三者(第三者からの委託先を含む)及びその従業員を指します。

Ⅱ. 大和証券グループ サプライヤー行動規範

  1. 1.コンプライアンス
    1. 1.1ビジネスを行う国・地域で適用される法令、規則を遵守すること。
    2. 1.2独占禁止法、下請法など公正な取引に関する法令を遵守すること。
    3. 1.3腐敗・汚職防止に関する法令を遵守し、賄賂、不当な接待、贈答、便益などの受領・供与を行わないこと。
    4. 1.4反社会的勢力との取引を一切行わないこと。
    5. 1.5マネー・ローンダリング及びテロ資金供与に一切関与しないこと。
    6. 1.6自社の利益に反して、自己、取引先または第三者の利益を図る行為を行わないこと。
    7. 1.7内部通報制度を整備し、通報者の保護を徹底すること。
  2. 2.情報セキュリティ・サイバーセキュリティ
    1. 2.1当社グループより受託した機密情報及び重要情報(個人情報を含む)はもとより、自社、顧客、第三者の個人情報を含む機密情報及び重要情報を厳重に管理・保護すること。
    2. 2.2当社グループ及び他の顧客とのビジネス上で知り得た機密情報及び重要情報(個人情報を含む)は厳重に管理するとともに、許可なく第三者に漏らさないこと。
    3. 2.3コンピューターウイルスや不正アクセス等のネットワーク上のリスクや脅威を防御し、対策を講じること。
  3. 3.人権
    1. 3.1サプライチェーンを含む事業活動全体において人権を尊重すること。
    2. 3.2児童労働、強制労働、人身取引を行わないこと。
    3. 3.3最低賃金、その他給与等に関する法令諸規則を遵守し、従業員に給与を支払うこと。
    4. 3.4従業員の労働時間(超過勤務を含む)を規定する各国該当法令等に従うこと。
    5. 3.5健康的で安全な労働環境を従業員に提供すること。
    6. 3.6従業員が、法令に基づき自由に結社するまたは結社しない権利や団体交渉の権利を尊重すること。
    7. 3.7職務上のあらゆる面において、人種、国籍、出身、信条、宗教、政治、性別、性的指向、性自認、社会的身分、身体的特徴、障がい等を理由とした差別を行わないこと。
    8. 3.8セクシャルハラスメント、パワーハラスメント等のハラスメント行為を行わないこと。
    9. 3.9職場の多様性の確保に向け、ダイバーシティ&インクルージョンを推進すること。
  4. 4.製品・サービスの品質・安全性
    1. 4.1法令等で定める安全基準を満たした製品を供給すること。
    2. 4.2品質保証システムを構築して厳格に運用すること。
    3. 4.3製品・サービスに関する正確な情報を提供すること。
  5. 5.環境
    1. 5.1サプライチェーンを含む事業活動全体における環境負荷の低減を目指し、環境に配慮する方針や目標等を策定すること。
    2. 5.2温室効果ガス排出量の削減に取り組むこと。
    3. 5.3資源、エネルギーの有効活用に取り組むこと。
    4. 5.4廃棄物の適正処理・リサイクル等に関する各国・各地域の法令を遵守するとともに、廃棄物の削減に取り組むこと。
    5. 5.5各国・各地域の関連法令を遵守し、化学物質を管理すること。
  6. 6.情報開示
    1. 6.1財務状況、業績、事業活動の内容等の情報を、ステークホルダーに対し適時・適切に開示すること。

また、英国現代奴隷法(Modern Slavery Act 2015)に基づき、奴隷労働や人身取引の防止に関するステートメントを開示しています。

事業活動においては、新規投融資と債券/株式発行にかかる引受(以下、「投融資等」)における環境・社会リスクの管理体制を強化するため、当社グループでは「環境・社会関連ポリシーフレームワーク」を策定・公表しています。環境や社会に対して多大な負の影響を与える可能性がある事業については、同フレームワークに基づきESGデュー・デリジェンスを実施し投融資等の可否を判断します。

なお、新規公開会社の引受案件については、「有価証券の引受け等に関する規則」(日本証券業協会)に定められた項目に沿って引受審査を実施しています。その際には、同フレームワークのほか、ESGの観点も視野に入れながら、業績や財務面だけでなく、発行体のビジネスモデル、社会的な評価、法令順守の状況、コンプライアンス体制やコーポレート・ガバナンスの整備状況、予定される資金使途等についても、重点項目として取り扱っています。これらの項目については、実査や面談等を通じてより綿密な審査を行ない、発行体に改善をご提案することもあります。そのうえで重要な懸念点がある場合には、CRO(最高リスク管理責任者)に報告する体制を取っています。
また、当社グループが事業活動を行なう各国・地域においてどのようなESG課題があるのか、国内外の公的機関が提供する情報や外部団体との情報交換等を通じて把握し、重要性の高いものについては適切な対応を検討することにしています。

パートナーシップ

「パートナーシップ構築宣言」

  1.  大和証券グループ本社(以下当社)は、サプライチェーンの取引先の皆様や価値創造を図る事業者の皆様との連携・共存共栄を進めることで、新たなパートナーシップを構築するため、以下の項目に重点的に取り組むことを宣言します。
  2. 1.サプライチェーン全体の共存共栄と規模・系列等を超えた新たな連携
     直接の取引先を通じてその先の取引先に働きかける(「Tier N」から「Tier N+1」へ)ことにより、サプライチェーン全体での付加価値向上に取り組むとともに、既存の取引関係や企業規模等を超えた連携により、取引先との共存共栄の構築を目指します。その際、災害時等の事業継続や働き方改革の観点から、取引先のテレワーク導入やBCP(事業継続計画)策定の助言等の支援も進めます。
  3. (個別項目)
    a. 企業間の連携

    ✓ 当社は、金融・資本市場を通じて社会及び経済の発展に資することを当社の使命と考え、時代とともに複雑・多様化する社会課題の解決に注力しています。産業の発展・再編支援、新規産業の発掘・育成、社会課題解決のための資金調達支援、事業承継コンサルティングなど、当社が持つあらゆるソリューションを皆様に提供することにより、取引先を含むすべてのステークホルダーの価値・効用の最大化を目指します。

    d. グリーン化の取組

    ✓ サステナブルで豊かな社会の創造には環境問題の解決も必要です。当社は「大和証券グループ カーボンニュートラル宣言」を策定しており、ファイナンスを通じた脱炭素社会実現や、脱炭素社会実現に貢献する新技術の支援、およびそれらへの投資機会の提供、再生可能エネルギー分野向けのアドバイザリー事業等のソリューションビジネスの推進など、金融ビジネスを通じて脱炭素社会へのスムーズな移行を支援します。また、サプライチェーンを含めた社会全体の環境負荷低減に取り組むため、調達活動における環境配慮を定めた「グリーン調達についての考え方」を公表しています。さらに、事業における環境・社会リスクの管理体制を強化するため「環境・社会関連ポリシーフレームワーク」を策定しており、サプライヤーや取引先の皆様とともにサプライチェーン全体での環境問題の解決に取り組んでまいります。

    e. 健康経営に関する取組

    ✓ 健康経営の実践、周知啓発や取引先の健康経営支援に取り組んでまいります。
  4. 2.「振興基準」の遵守
     親事業者と下請事業者との望ましい取引慣行(下請中小企業振興法に基づく「振興基準」)を遵守し、取引先とのパートナーシップ構築の妨げとなる取引慣行や商慣行の是正に積極的に取り組みます。

    ① 価格決定方法

     不合理な原価低減要請を行いません。取引対価の決定に当たっては、下請事業者から協議の申入れがあった場合には協議に応じ、労務費上昇分の影響を考慮するなど下請事業者の適正な利益を含むよう、十分に協議します。取引対価の決定を含め契約に当たっては、親事業者は契約条件の書面等による明示・交付を行います。

    ② 手形などの支払条件

     下請代金は可能な限り現金で支払います。手形で支払う場合には、割引料等を下請事業者の負担とせず、また、支払サイトを60日以内とするよう努めます。

    ③ 知的財産・ノウハウ

     知的財産取引に関するガイドラインや契約書のひな形に基づいて取引を行い、片務的な秘密保持契約の締結、取引上の立場を利用したノウハウの開示や知的財産権の無償譲渡などは求めません。

    ④ 働き方改革等に伴うしわ寄せ

     取引先も働き方改革に対応できるよう、下請事業者に対して、適正なコスト負担を伴わない短納期発注や急な仕様変更を行いません。災害時等においては、下請事業者に取引上一方的な負担を押し付けないように、また、事業再開時等には、できる限り取引関係の継続等に配慮します。
  5. 3.その他(任意記載)
    ✓ 当社は、企業理念の柱の一つに「社会への貢献」を掲げており、金融・資本市場を通じて社会及び経済の発展に資することを当社の使命と考え、高い倫理観を持って社会の持続的発展に貢献することを目指しております。取引先を含むすべてのステークホルダーとのコミュケーションを重視し、積極的な対話を通じて把握した社会課題を解決することで、社会的価値と経済的価値の両立を追求してまいります。
  6. 2022年2月8日
    (2022年10月14日 更新)
    株式会社大和証券グループ本社  代表執行役社長 中田 誠司