サステナブルファイナンス

国内外のサステナブルファイナンス市場は近年拡大し続けています。特に国内における債券市場では2016年度以降、SDGs債の発行額が継続して増加しており、2023年度は前年度比1.8倍の8兆3,297億円の発行を記録しました。

大和証券ではサステナブルファイナンスにいち早く取り組んでおり、2008年には個人向けに、国内初のインパクトインベストメント債券「ワクチン債(Vaccine Bond)」を販売しました。

国内外の基準整備にも取り組んでおり、2017年・2020年には環境省のグリーンボンドガイドラインの検討会を務めた他、2020年には国際資本市場協会(ICMA)のアドバイザリー・カウンシルにアジア引受業者として唯一選定され、2024年には同カウンシルに2度目の選定をされました。

2020年、大和証券グループでは、大和証券の引受体制を更に発展させ、サステナブルファイナンス専門チームを設置しました。お客様である投資家、発行体のニーズに合ったサステナブルファイナンスに係る商品・サービス・ご提案を提供しており、2023年には日本国における世界初のクライメート・トランジション・ボンドの発行に向けて動向調査をはじめ、助言・サポートを行うアドバイザーを務めました。

引き続き、サステナブルファイナンスに係る商品・サービス・ご提案を提供するとともに、サステナブルファイナンスの普及・拡大に貢献すべく、努めてまいります。

サステナブルファイナンスの推進

根岸 真美
大和証券株式会社
サステナビリティ・ソリューション推進部長
根岸 真美

サステナビリティ・ソリューション推進部は、環境、社会、およびガバナンス(ESG)の側面を考慮しながら経済的な成果を追求するサステナブルファイナンスの支援に取り組んでいます。従来のファイナンスでは、収益性やリスクが重視されてきましたが、サステナブルファイナンスでは、気候変動などの社会的課題解決に資することが不可欠です。

気候変動や社会的課題の解決には巨額の資金が必要であり、官民の協力が必要です。サステナブルファイナンスの活性化により、民間金融市場の機能が向上し、企業のESGへの取り組みを支援することができます。

また、資金調達という企業の重要なコーポレートアクションに、社会的課題に対する企業のマテリアリティが結び付くことで、ESGが企業の経営の根幹に組み込まれ、サステナブルな社会の実現に近づいていくものと考えております。

大和証券グループの2030Vision「貯蓄からSDGsへ~資金循環の仕組みづくりを通じたSDGsの実現~」 に掲げる通り、発行体や投資家など市場関係者をつなぐ架け橋として今後もさらなる努力を重ね、持続可能な未来の実現に向けて貢献してまいります。

主な実績

<国内>

<海外>

Activity

環境省「第5回ESGファイナンス・アワード・ジャパン」環境大臣賞(銀賞)受賞について

大和証券株式会社は、環境省が実施する「第5回ESGファイナンス・アワード・ジャパン」(以下、「本アワード」という。)の金融サービス部門(証券部門)において、当社として初となる環境大臣賞(銀賞)を受賞しました。

ICMAの「アドバイザリー・カウンシル」への選出について

大和証券株式会社は、国際資本市場協会(International Capital Market Association、以下「ICMA」という。)のアドバイザリー・カウンシル(Advisory Council)に選出されました。2020年以来、2度目の選出になります。

第9回サステナブルファイナンス大賞(一般社団法人環境金融研究機構)優秀賞受賞について

大和証券株式会社は、一般社団法人環境金融研究機構(以下「RIEF」)が実施する第9回サステナブルファイナンス大賞において、証券会社では唯一となる優秀賞を受賞しました。

日本国による世界初のクライメート・トランジション・ボンド・フレームワーク策定

日本政府は今後10 年間で 150兆円超の官民GX (グリーントランスフォーメーション)投資を実行することとしており、そのうち、先行投資支援を目的として約 20 兆円規模の「クライメート・トランジション・ボンド」の発行を予定しています。
クライメート・トランジション・ボンドは、これまでの国債(建設国債、特例国債、復興債等)と同様に同一の金融商品として統合して発行することに限らず、調達する資金の使途やレポーティング方法等を示したフレームワークを策定したうえで、国際標準への準拠について評価機関からの認証(セカンド・パーティ・オピニオン)を取得して発行します。

大和証券はこのクライメート・トランジション・ボンドの発行に向けて動向調査、フレームワークの作成及びセカンド・パーティ・オピニオン取得に関連する助言・サポートを行うアドバイザーを務めました。

資金使途
大分類
(グリーンカテゴリー)
中分類 適格クライテリア 代表的な資金使途(適格事業)
1 エネルギー効率 徹底した省エネルギーの推進
  • 省エネ機器の普及
住宅・建築物
  • 省エネ住宅・建築物の新築や省エネ改修に対する支援
脱炭素目的のデジタル投資
  • 省エネ性能の高い半導体光電融合技術等の開発・投資促進
蓄電池産業
  • 蓄電池・部素材の製造工場への投資
2 再生可能エネルギー 再生可能エネルギーの主力電源化
  • 浮体式洋上風力
  • 次世代型太陽電池(ペロブスカイト)
インフラ
  • 脱炭素に資する都市・地域づくり
3 低炭素・脱炭素エネルギー 原子力の活用
  • 新たな安全メカニズムを組み込んだ次世代革新炉
カーボンニュートラルの実現に向けた電力・ガス市場の整備
  • ゼロエミッション火力への推進
  • 海底直流送電等の整備
4 クリーンな運輸 運輸部門のGX
  • 次世代自動車の車両導入の支援
  • 2030 年代までの次世代航空機の実証機開発、ゼロエミッション船等の普及
インフラ(再掲)
  • 脱炭素に資する都市・地域づくり
5 環境適応商品、環境に配慮した生産技術及びプロセス 製造業の構造転換(燃料・原料転換)
  • 水素還元製鉄等の革新的技術の開発・導入
  • 炭素循環型生産体制への転換
水素・アンモニアの導入促進
  • サプライチェーンの国内外での構築
  • 余剰再生可能エネルギーからの水素製造・利用双方への研究開発・導入支援
カーボンリサイクル/CCS
  • カーボンリサイクル燃料に関する研究開発支援
6 生物自然資源及び土地利用に係る持続可能な管理、
サーキュラーエコノミー
食料・農林水産業
  • 農林漁業における脱炭素化
資源循環
  • プラスチック、金属、持続可能な航空燃料(SAF)等の資源循環加速のための投資

メディア出演報告:経済教養番組「まなびや-17」

メディア出演報告

経済教養番組「まなびや-17」

経済教養番組「まなびや-17(セブンティーン)」

ESG投資をわかりやすく伝えるBS-TBSの経済教養番組「まなびや-17(セブンティーン)」に大和証券エクイティ調査部の山田雪乃が出演しました。
当番組は、大和証券公共法人部、デット・キャピタルマーケット第二部、サステナビリテイ・ソリューション推進部監修のもと、SDGs初心者を対象に企画され、企業のSDGs達成に向けた取組みを紹介しました。

<番組内でご紹介した発行体 ※出演順>

  • 富士フィルム株式会社
  • 独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構

メディア出演報告:経済教養番組「サステナブル な毎日~経済が未来のためにできること~」

メディア出演報告

経済教養番組「サステナブル な毎日~経済が未来のためにできること~」

経済教養番組「サ  ステナブル な毎日~経済が未来のためにできること~」

ESGをわかりやすく伝える番組「サステナブルな毎日 ~経済が未来のためにできること~」(BSテレビ東京放送)に大和証券 チーフESGストラテジストの 山田雪乃が出演しました。
当番組は、大和証券 公共法人部、デット・キャピタルマーケット第一〜三部が全面的に監修を行いました。ビジネス層や社会貢献に関心の高い大学生を対象 に企画され、SDGs 達成に向けた企業活動や資金調達方法を事例に沿って紹介しました。

<番組内でご紹介した発行体 ※出演順>

  • 株式会社ポピンズホールディングス
  • 株式会社学研ホールディングス
  • 日本電産株式会社
  • 独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構
  • KDDI株式会社

ICMAの「グリーンボンド原則・ソーシャルボンド原則アドバイザリー・カウンシル」への選出

大和証券株式会社は、国際資本市場協会(International Capital Market Association、以下「ICMA」)のグリーンボンド原則・ソーシャルボンド原則(以下「グリーンボンド原則等」)のアドバイザリー・カウンシル(Advisory Council)に、アジアの引受証券会社として唯一のメンバーに選出されました。

今回の本アドバイザリー・カウンシルへの選出に関しては、SDGs 債に関連した取組みや成果が評価されたものと考えており、当社グループは従来のグリーンボンド、ソーシャルボンド、サステナビリティボンドに加え、サステナビリティ・リンク・ボンド、トランジションボンドといった新たな枠組みの確立・発展に向けて努めると共に、引き続き持続可能な社会の創造に向けて貢献していきます。

IFC ESGスコアリングサーベイ トップパフォーマーに選出(2020年7月)

大和証券は、国際金融公社(IFC)が引受業者向けに、初めて実施したESGサーベイにおいて、最上位グループであるトップパフォーマー(44社中6社のみ)に選出されました。

主なチェックポイント

  • ESGに関するポリシー
  • ESG関連商品の取り扱い状況
  • ステークホルダーとの連携
  • 環境負荷低減への取り組み
  • 非財務情報のレポーティング状況 等

MSCI社のESG格付けにて、大和証券グループ本社が最上級の「AAA」に格上げ(2022年12月)

MSCI社はESG指数の世界最大手です。
当該ESG格付けは、グローバルで産業毎に相対評価され、AAA~CCCの7段階で決定されます。当社の本業におけるSDGs達成に向けた取組みが、外部機関から高く評価されました。

セミナーの開催

大和証券グループでは、発行体、投資家、評価機関の皆様にご協力をいただきながらサステナビリティに関する様々なテーマのセミナーを開催しています。最先端のトピックや考え方をお客様に情報発信することにより、サステナブルファイナンスの普及拡大を目指していきます。

エンゲージメントミーティングの実施

大和証券グループでは、サステナブルファイナンスのさらなる深化を目指し、発行体・投資家との間のエンゲージメントミーティングをアレンジしています。

SDGs債発行体に対して、投資家の率直な意見を伝える場を用意することで、発行体・投資家双方にとって、より良いSDGs債市場の発展に寄与します。

北九州市役所での様子
北九州市役所での様子

- 鉄道建設・運輸施設整備支援機構 × 北九州市(2023/11/28)

2023年11月28日、鉄道建設・運輸施設整備支援機構様と、サステナビリティボンドの発行体である北九州市様との間で、エンゲージメントミーティングを実施しました。

自動車リサイクル促進センター × 北九州市

北九州市役所でのエンゲージメント対談の様子
北九州市役所でのエンゲージメント対談の様子

- 自動車リサイクル促進センター × 北九州市(2022/11/30)

2022年11月30日、自動車リサイクル促進センター様と、サステナビリティボンドの発行体である北九州市様との間で、エンゲージメントミーティングを実施しました。

地域振興と交通インフラ整備によるグリーン社会の実現

表紙画像

- JRTT×きらぼし銀行(2021年4月)

今求められる学生支援の在り方

表紙画像

- 日本学生支援機構×日本赤十字豊田看護大学(2021年1月)

地域密着型セミナーの開催 -SDGs×地域振興-

2021年以降、全国各地の支店においてSDGs達成に向けた各団体の取組みを紹介するセミナー(ウェビナー)を開催しています。

詳細はこちらをご参照ください。