資産形成のサポート ~お客様の資産価値最大化~
大和証券グループでは、グループそれぞれの事業領域において、お客様のニーズや課題を深く理解し、お客様の状況や経済環境に応じた最善・最適で質の高いソリューションを提供することで、中長期的なお客様の資産価値/企業価値の最大化に貢献します。
共通価値を追求した商品提案
SDGs債の引受・販売などの事業活動を通じた取組み
大和証券グループは、グローバルな脱炭素化や様々な社会課題解決に向けた取組みを支援するため、積極的にサステナブルファイナンスに取り組んでいます。現代社会において、気候変動等の社会課題に対処するためには、巨額の資金が必要であり、官民の協働が欠かせません。当社グループでは、持続可能な社会の実現に向けたサステナブルファイナンスの推進を目指しています。
当社グループのコアビジネスである資金調達支援に、SDGsの要素が加わることは、お客様に提供できる付加価値が増える新たなビジネスの機会とも捉えています。当社グループは、日本におけるSDGs債(従来のインパクト・インベストメント債券を含む)のパイオニアとして、様々な発行体が社会課題の解決を目的に発行する債券に、お客様が投資する機会を提供しています。サステナブルファイナンスのさらなる高度化・商品の多様化を積極的に進めて参ります。
発行体 | 資金使途 | 販売額 (概算) |
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東京建物 | サステナビリティボンド | 100億円 |
神戸市※ | SDGs債 | 5億円 |
兵庫県※ | グリーンボンド | 2億円 |
埼玉県※ | サステナビリティボンド | 6.6億円 |
山口フィナンシャルグループ※ | グリーンボンド | 110億円 |
仙台市※ | グリーンボンド | 2.5億円 |
北九州市※ | サステナビリティボンド | 1.9億円 |
名古屋市※ | SDGs債 | 4億円 |
東急※ | グリーンボンド | 15億円 |
川崎市※ | グリーンボンド | 3億円 |
国際協力機構※ | サステナビリティボンド | 15億円 |
- ※大和証券を含む複数社で販売(上記販売額は、大和証券引受分)。
総資産コンサルティングの取組み
人生100年時代の到来を受けてライフプランの多様化・複雑化が進むなか、お客様お一人おひとり異なる人生の目標や夢の実現に向けて、中長期的な視野から資産全体に対するコンサルティングをご提供するサービスとして、大和証券は財産承継プランニングおよび資産運用プランニングを導入しています。
- 財産承継プランニング
お客様からお伺いした「相続に関するお考え」や「保有財産の状況」などをもとに相続税シミュレーションを行ない、円滑な財産承継に向けた課題とその対策をご提案します。 - 資産運用プランニング
世界のウェルス・マネジメント分野での高い評価と実績を誇る資産管理ツールを駆使して、お客様の金融資産の分析から投資意思決定のサポートまで、資産運用のあらゆるシーンで最適なソリューションをご提案します。
また、2024年3月より、資産運用プランニングにおいて、国内で初めて「ESG・SDGs分析」の機能を導入しました。以下の4項目の分析を行なうことができ、投資先の選択時に企業の持続可能性を加味することで、中長期的な運用パフォーマンスの向上が期待できます。
ESG格付け | ESGへの取組みやリスク管理力などを分析し、AAA~CCCの7段階で評価 |
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地球温暖化ストレステスト | 世界の平均気温が2℃上昇した場合の、ポートフォリオにおける資産価値の増減を分析 |
予想気温上昇 | 世界全体の炭素排出量が、ポートフォリオの炭素排出量と同水準となった場合に、気温が何℃上昇するかを分析 |
SDGsに関する取組み | SDGsの17の目標について、銘柄毎の取組みを評価 |
ESGファンド
ESGファンドとは、サステナブルな社会への移行に向けESGやSDGs目標達成などに取組む企業の発行する株式や債券に投資するなど、運用判断において、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)といったESG要素や、サステナビリティ要素を重視している投資信託です。
これらの投資信託に投資することで、金融市場を通じて間接的に、サステナビリティに積極的に取り組む企業等への資金供給を行なうことができ、長期的に持続可能な社会の実現に寄与することが期待されます。
当社では、多様なお客様のニーズにお応えするため、商品ラインアップを拡充しています。
脱炭素に向けたファンドでの取組み(大和アセットマネジメント)
大和アセットマネジメントは、脱炭素テクノロジー株式ファンド(愛称:カーボンZERO)の設定・運用を行なっています。同ファンドは、世界株式の中から主に脱炭素社会に貢献するソリューション企業に投資を行ないます。また、運用助言のカンドリアム社(カンドリアム・エス・シー・エー)では、ファンド助言から得た報酬の一部を、CO₂削減を目的としたグリーンプロジェクトへ資金拠出することで、ファンドとしてカーボンゼロを目指しています。同ファンドのESG情報は、インパクトレポートにて報告しています。
さらに、同社や大和証券を含む一部販売会社は、NPOを通じて信託報酬の一部を日本の植樹活動へ寄附しています。2024年には全国3カ所で5,425本を植樹し、累計で21,529本となり、植樹値は全国6カ所に広がっています。これにより、受益者と共に、脱炭素社会の実現に歩みを共にする機会を創造しています。
また、同ファンドは、2022年に「東京金融賞2021 ESG投資部門 グリーンファイナンス知事特別賞」を受賞し、2024年2月には、同社とカンドリアム社の連名で環境省主催の「第5回ESGファイナンス・アワード・ジャパン投資家部門」で銅賞を受賞しました。
「ファンドラップ」の取組み
人生100年時代において中長期的な資産運用が重要になります。ダイワファンドラップは投資一任契約のもと、お客様に代わり大和証券が資産の運用・管理を行なうことにより、投資経験のない方や忙しい方でも、長期分散投資を始めていただくことができるサービスです。サービス提供のなかで、お客様との密接なコミュニケーションを心がけて信頼関係の構築を図っています。
また、提携先であるゆうちょ銀行や信用金庫、地方銀行においても大和証券の運用するファンドラップを販売しており、当社のお客様のみならず幅広いお客様に対し、当社のノウハウを提供しています。
今後とも、お客様に長くお付き合いいただけるよう、パフォーマンスとサービスの質を向上すべく、体制やシステムの整備への取組みを続けていきます。
- 国内ラップ口座残高:21兆3,369億円(2025年3月末現在)
- ※出典:一般社団法人日本投資顧問業協会公表資料
- 大和証券におけるラップ口座残高:4兆6,864億円(2025年3月末現在)
- ※出典:一般社団法人日本投資顧問業協会公表資料
- ダイワ社会貢献ラップ(寄附サービス付ダイワファンドラップ)
2024年度寄附実績:4,217万円(直近3年間累計寄附実績:7,707万円)- ※お客様からの寄附金額および大和証券寄附金額の合計
- ※寄附先:食糧支援(国連WFP)、医療(国境なき医師団日本)、子ども支援(日本ユニセフ協会)、環境(WWFジャパン)、災害復興(ジャパン・プラットフォーム)
ソリューションビジネスの取組み
近年、お客様の多様化・高度化する課題やニーズに対し、単なる金融商品・サービスの提供にとどまらず、課題解決型の「ソリューションビジネス」への取り組みが重要性を増しています。中小企業を始めとした企業に対しては資金調達や財務戦略だけでなく、事業承継、M&A、経営支援など、企業価値向上に資する総合的な提案が求められています。また個人のお客様向けにも、相続・贈与対策などきめ細かなコンサルティング型サービスのニーズが拡大しています。今後も環境の変化を的確に捉え、お客様本位のソリューションを提供できるよう取り組んでまいります。
ワークプレイス(職域)ビジネスの取組み(「DAIWA LIFEPLAN」と「D-Port」の活用)
ワークプレイスビジネスにおける、豊かな人生100年時代の実現に向けた資産形成層のサポートツールとして、「DAIWA LIFEPLAN」を提供しています。
株式等を利用した福利厚生制度(持株会・職場つみたてNISA・企業型確定拠出年金等)や株式報酬制度(特定譲渡制限付株式〈RS〉・ストックオプション等)の各商品を、インターネットの同一のプラットフォーム上で一元管理できるサービスであり、お客様のライフプラン実現に向けた資産形成サポートと、企業による持株会・積立投資等の福利厚生制度への積極的な加入促進が可能となっています。
企業および企業にお勤めの社員の方に向けて、デジタルトランスフォーメーション(DX)を背景とした最新技術により、アプリケーションプログラミングインタフェース(API)をベースとする自由度の高い連携の構築、クラウドサービス活用による口座開設の時短化・省力化などの高い利便性の提供、および各種手続きでの完全ペーパーレス化・押印レス化の実現を進めています。
さらに、資産管理&投資に役立つアプリ「D-Port」の導入により、生体認証等を活用した簡便かつ安全なログインが可能となり、保有資産の確認が一層容易になりました。加えて、アプリから「DAIWA LIFEPLAN」への円滑なアクセスを実現し、ユーザーの利便性の向上を図っております。今後は、アプリを通じた投資教育の提供を強化し、金融リテラシーの向上にも寄与してまいります。
スマホ専業証券会社「大和コネクト証券」による資産形成層向けサービスの拡充
証券会社は富裕層が利用するもので、証券取引には難しい金融知識が必要だ、という一般的なイメージは、スマートフォンなどの技術革新によって崩れつつあります。金融包摂をいかに意識してすべての人に届き得る証券サービスを生み出すかは、大和証券グループだけでなく証券業界の課題であると認識しています。
2020年7月よりサービスを開始した大和コネクト証券は、大和証券グループが生み出す新しい証券会社として、口座開設から取引、資産管理までをスマートフォンで完結できることを特徴とし、初心者でも少額から手軽に資産運用を始められるサービスを中心に提供しています。
また、外部企業と提携して投資が楽しく学べるゲームアプリ、貯めているポイントが投資につかえるポイント投資サービス、クレジットカード決済で積立投資をしながらポイントも貯まるクレカ積立サービスなどを提供することで、少額からでも金融知識を気軽に学べる機会を実現し、金融サービスへのアクセスを多角化しています。また中学生からティーン口座(未成年口座)をつくることができ、金融教育の実践・10代からの自律的な資産形成をサポートするサービス提供も行っています。
より多くの人々が金融サービスを知る機会に繋がることを期待し、2024年9月からは株式会社サンリオの「シナモロール」をイメージキャラクターとして採用し、ホームページや取引アプリで展開しております。
大和コネクト証券は、今後もすべての人が、より良い金融サービスにアクセスできるよう、サービスの開発・提供を進めていきます。

社会問題の解決に向けたREIT及びファンド等の取組み
ヘルスケア施設への投資
大和リアル・エステート・アセット・マネジメントでは日本初のヘルスケア施設特化型REIT「日本ヘルスケア投資法人」を運用していましたが、同じく同社が運用する住宅特化型REIT「日本賃貸住宅投資法人」と2020年4月1日付で合併し、ヘルスケア施設運用資産額最大のJリート「大和証券リビング投資法人(以下、DLI)」が誕生しました。DLIは、高齢化のさらなる進展により、中長期的に社会的需要の拡大が見込まれる優良なヘルスケア施設への投資を通じ、「健康・長寿の達成」という日本の優先課題(政府SDGs推進本部策定のSDGs実施指針より)の解決に寄与していきます。
また、DLIは、ソーシャルファイナンスを通じたESG投資機会を投資家に提供すべく、ソーシャルファイナンス・フレームワークを策定し、株式会社日本格付研究所(JCR)より最上位評価「Social 1(F)」を取得しています。同フレームワークにもとづき、2025年3月までにソーシャルローンによる借入(109.2億円)を実施、2022年1月にはソーシャルボンド(20億円)を発行、調達資金はヘルスケア施設の取得資金等に充当しています。
ヘルスケア施設総額
- 約1,101億円(2025年3月末現在)
再生可能エネルギーへの投資
インフラ資産については、2014年度より太陽光発電所の運用業務の受託を開始し、2017年度には大和エナジー・インフラが投資するバイオマス発電所の運用業務も受託しています。さらに、2021年9月からは国内機関投資家からの出資を受けて設立された、太陽光発電事業を投資対象とする私募ファンド「DSREFコア・アマテラス投資事業有限責任組合」の運用業務も開始しました。また、2025年1月からは、再生可能エネルギーの長期安定電源化が期待される蓄電所の運用業務も受託しています。今後も運用資産残高の拡大を図るとともに、再生可能エネルギー分野における投資運用の知見をさらに蓄積してまいります。
データセンターへの投資
2025年5月より、データセンターの運用業務を受託しています。近年、多くの業界や行政機関においてAIやクラウドサービスが普及しており、DXの基盤を支えることで社会課題の解決に貢献しています。遠隔医療やオンライン教育、柔軟な働き方など多様な社会ニーズに対応し、地域格差の解消や生産性向上を実現しています。今後も、ファンド等の運用を通じて社会全体のデジタル化を支えるデータセンターの整備を推進してまいります。

再生可能エネルギー発電所の運用実績
- 件数:31件
(北海道、東北、北陸、関東、中部、関西、中国、四国) - 出力:太陽光発電所約294MW(底地運用資産分を除く)、バイオマス発電所20MW
- 年間発電量実績(2024年4月~2025年3月):太陽光発電所 329,054MWh、バイオマス発電所 133,947MWh
(想定CO2削減量:179,722t-CO2、地域毎電気事業者別排出係数にて算出) - 運用資産残高:約1,087億円
蓄電所の運用実績
- 件数:2件
(北海道、九州) - 出力、容量(予定):出力63MW、容量260MWh
- 運用資産残高(予定):蓄電設備等の資産総額128億円
2024年度の海外拠点の取組み
国際金融公社(IFC)の生物多様性保全目的グリーンボンド、7億豪ドルベンチマーク債をDaiwa Capital Markets Europe Limited (DCME)にて引受
2024年11月、DCMEは国際金融公社(IFC)が発行する「生物多様性保全型グリーン豪ドル建てベンチマーク債」の主幹事を務めました。同債券は期間10年、7億豪ドル発行されました。国際金融公社(IFC)は世界銀行グループの一員であり、開発途上国の民間セクターに特化した世界最大級の国際開発機関です。IFCは民間企業への投資および助言活動を通じて、経済発展の促進と生活水準の向上に取り組んでいます。本債券の発行による資金は、生物多様性の保全を目的とした取組みに活用されます。主な例として、BTG Pactual Timberland Investment Groupによるラテンアメリカでの森林再生戦略(重要な地域での森林の回復・保全を重視)や、BBVAコロンビアによる世界初の生物多様性債(コロンビア国内の自然林の再生を目的とした債券)などが挙げられます。
在日オーストラリア大使館と共催 日豪ディープテックフォーラムを開催
2024年12月、大和証券はオーストラリア大使館と共催で日豪ディープテックフォーラムを同大使館で開催し100人程が参加しました。大和証券グループが2023年に出資した豪州の政府系VCファンドであるMain Sequence Venturesとその投資先のスタートアップ、日本からはオーストラリア大使、経済産業省や日本を代表するVCファンドであるジャフコ、インキュベイトファンド、スパークスに加え、大学系VCである東大IPC、京都iCAP、早大ベンチャーズが登壇し、脱炭素、医療、食糧、宇宙など分野における日豪のスタートアップ・イノベーションの動向や日豪連携の可能性を話し合いました。大和CMオーストラリアは、社会課題の解決に繋がるイノベーション領域における日豪連携を推進しています。


情報分析と提供
大和証券グループでは、総合証券グループとして、投資情報にとどまらず、経済や社会に関する幅広い情報を発信し、お客様や投資家をはじめ、長期的な視野からの政策提言を通じてさまざまなステークホルダーの皆様のお役に立ちたいと考えています。
ESGに関する情報提供の取組み(大和証券)
大和証券エクイティ調査部は、アナリストやストラテジストが企業の財務情報や業界動向、社会経済情勢を分析・評価し、株価情報や投資戦略を機関投資家(資産運用会社、銀行、保険会社、年金基金等)向け中心に提供しています。
近年は、SDGsやパリ協定等の国際アジェンダの盛り上がりを契機に、環境(E)、社会(S)、コーポレート・ガバナンス(G)に関する非財務情報を中長期の投資判断に利用する投資家ニーズが高まっています。エクイティ調査部ではESG情報を専門に取り扱うESGリサーチ課において、財務・非財務情報を一体的に分析・評価するための体制が整備されています。ESGリサーチ課では、気候変動や人権・ジェンダー問題、企業統治体制、社会的インパクト等を焦点にした分析レポートの執筆やESGセミナーの開催等に取り組んでいます。
ESG情報は企業と社会全体が長期持続的に発展するために今後ますます重要になってきます。機関投資家が責任投資や企業と目的を持った対話(エンゲージメント)を通じて中長期的な投資リターンの拡大が図れるよう、タイムリーで的確なESG情報の提供に努めています。
また、金融市場調査部では、債券・金利の視点からSDGs債市場動向、気候変動と債券市場、ESG投資パフォーマンスなど機関投資家への情報ニーズにお応えしています。
総合的な情報発信・政策提言活動
大和証券グループのシンクタンク機能を担う大和総研は、幅広い分析や社会に向けた情報発信を行なっています。金融資本市場や実体経済に関する総合的な情報発信、政策提言活動を行なうことは同社の使命であると考えています。情報の早さや深さ、ほかにはない独自性のある視点を常に追求し、社会のニーズに応える情報を発信するため、企業、投資家、政府・自治体などの公的機関、各種経済団体、海外のシンクタンク、メディアとの情報交換・議論を通じて、社会動向やトレンドの変化を分析し、情報を発信しています。
サステナビリティ情報の発信にも力を入れており、金融調査部ESG調査課を中心に関連情報の調査・分析・発信に注力しています。近年、世界的にサステナビリティ関連の情報開示の枠組み策定が急速に進展しており、発行体、投資家双方の関心が高まっています。2024年度にはSDGs/ESGに関連する50本のレポートを公表し、金融法人や事業会社に対して169件の情報提供訪問を行なっています。
多様な媒体による発信~大和総研~
- ウェブサイト上に掲載したレポート数:476本(2024年度実績)
- 公表レポート全文をウェブサイトに掲載
- リサーチ部門のページへの最近のアクセス件数:234万件(2024年度実績)
大和総研調査本部は、レポート執筆、メディア出演、書籍出版など情報発信を多角的に行なっています。複雑な経済・社会的課題を明確に解説し品質を重視したレポート作成を行なうことで、お客様とのコミュニケーション機会が増加しています。