商品・サービスの開発と提供を通じた取組み

社会問題の解決、未来の社会および金融・資本市場の発展のために

大和証券グループのSDGs債の歩み

インパクト・インベストメント

インパクト・インベストメントとは、経済的な利益を追求すると同時に、貧困や環境などの社会課題に対して解決を図る投資のことです。大和証券グループは、この手法を活用したSDGs債の日本におけるパイオニアとして、取扱いを拡大し、社会課題への投資を促進していきます。

  • 公的機関や金融機関、事業法人等が社会課題の解決を目的に発行し、調達資金がSDGsへ貢献する事業に充当される債券の総称(従来の定義である、インパクト・インベストメント債券を含む)。

2019年度の取組み

気候変動はあらゆる国々にとって重大な脅威であり、その影響を最初に受けるのも、もっとも大きな影響を受けるのも途上国であるといわれています。気候変動は、これまで数十年にわたって積み上げられてきた貧困に対する社会的な取組みを台無しにしてしまう可能性があり、貧困問題と切り離して考えることができません。
この数年、SDGsへの取組みが世界的に広がってきたことで、関連する債券市場の拡大とともにお客様のSDGsへの関心も高まっています。大和証券は日本におけるインパクト・インベストメント債券のパイオニアとして、公的機関や金融機関等が社会課題の解決を目的に発行する債券に、お客様が投資する機会を提供しています。
2018年9月には、国内事業会社が発行するグリーンボンドとしては初の「商船三井ブルーオーシャン債」を販売しました(大和証券、野村證券の証券会社2社で販売)。2017年度に東京都が発行した「東京グリーンボンド(外貨)」に続く国内発行のグリーンボンドで、大和証券ではこれらの引受・販売を通して、個人投資家の貴重な資金が環境対策へ活用される潮流を拡大する一助とすべく、2019年度も引き続き取り組んできました。
今後も大和証券グループは、グリーンボンドをはじめとするSDGs債(インパクト・インベストメント債券)の引受・販売などの事業活動を通じて、社会課題の解決に向けて貢献していきます。

大和証券が販売した個人投資家向けグリーンボンド/サステナビリティボンド(2019年度)

発行体 資金使途 販売額
(概算)
GLP投資法人 グリーン適格資産であるGLP舞洲Ⅱの取得のために借り入れた借入金の返済資金に充当 30億円
商船三井 環境改善効果のある事業と社会的課題の解決に資する事業に充当 60億円
イオンリート投資法人 グリーン適格資産の基準を満たす特定資産である「イオンモール甲府昭和」および「イオンモール鹿児島」の取得資金に充当した既存借入金の借換資金に充当 40億円
東京都 都有施設の改築・改修、都有施設・道路の照明のLED化、公園の整備、東京港・島しょ海岸保全施設整備事業等に充当 21億円
クレディ・アグリコル・CIB 環境にやさしい経済・社会の発展に貢献する企業・プロジェクトへの融資 231億円
  • 大和証券を含む複数社で販売(上記販売額は、大和証券引受分)。

個人投資家向けSDGs債(インパクト・インベストメント債券)の実績

  • 大和証券累計販売額:7,352億円
  • 金額は四捨五入
  • 大和証券調べ(2008年3月~2020年3月)
  • 国内市場における大和証券のシェア:49%
    総額1兆5,061億円
  • 金額は四捨五入
  • 大和証券調べ(2008年3月~2020年3月)
  • 過去に販売したインパクト・インベストメント債券に関連するSDGs
過去に販売したインパクト・インベストメント債券に関連するSDGs「1」「3」「5」「6」「10」「13」「15」

海外拠点の取組み

2019年7月、大和キャピタル・マーケッツヨーロッパリミテッド(以下、DCME)は、フランスの公的機関Caisse des Dépôtset Consignations(以下、CDC)の子会社Habitatの私募債発行をアレンジしました。CDC Habitatは、フランスの公的機関や公務員用の住居約49万5千軒を所有・管理し、深刻な社会的苦境にある人々に緊急の避難所を提供したり、社会住宅政策を支援したりすることにより、フランスの公共政策に貢献しており、DCMEはCDCと長年にわたる関係を築いてきました。今回の取組みは、都市を包摂的、安全、強靭かつ持続可能なものにすることを目的とするSDGsの目標11「持続可能な都市とコミュニティ」達成に貢献するものです。
またDCMEは、2019年11月、ドイツのノルトライン=ヴェストファーレン州による10億ユーロのベンチマーク・サステナビリティ・ボンドを共同主幹事としてアレンジしました。調達された資金は、同州の持続可能性に関連する研究、気候変動対策、公衆衛生、教育等のプロジェクト資金となります。

2020年度の取組み

海外拠点の取組み

2020年6月、大和証券キャピタル・マーケッツアメリカ は、米州開発銀行(以下、IDB)のサステナブル・ディベロップメント・ボンドの引き受け主幹事を務めました。
IDBは中南米・カリブ加盟諸国の経済・社会発展に貢献することを目的とする国際開発金融機関です。
IDBは、新型コロナウイルスに対する援助を必要とする国々に最大120億米ドルの融資を行なうことを発表しています。
本件により調達した資金は主に、新型コロナウイルスにより影響を受けた国々が公衆衛生システムを強化し、生活必需品や医療機器の購入するために使われるほか、現地政府がコロナ禍に対応するべく行なう財政出動や、雇用の維持など経済の回復を支えるさまざまな政策に活用されます。
当債券の発行はSDGsの目標 3「すべての人に健康と福祉を」の達成を目指し、実施されました。

SRI投資信託

SRI投資信託とは、投資先の売上や利益水準の評価だけでなく、社会面や環境面での取組みや、倫理性など、財務面以外のパフォーマンスを考慮して株式や債券などを組み入れた投資信託です。
非財務面の評価を環境のパフォーマンスに限定したエコファンドや、インパクト・インベストメント、SDGsに着目した銘柄選定を行なう投資信託などがあり、これらに投資することで、金融市場を通じてESGやSDGsの取組みに積極的な国や企業などを間接的に応援することができます。

2019年度の実績

  • 大和証券グループにおける残高:2217億円
  • 大和証券調べ
  • 国内市場における大和証券のシェア:40%
  • 大和ファンド・コンサルティング調べ(2020年3月末現在)
  • ダイワ社会貢献ラップ(寄附サービス付ダイワファンドラップ)
    2019年度寄附実績:1,052万円
  • お客様からの寄附金額および大和証券寄附金額の合計
  • 寄付先:国連WFP、国境なき医師団日本、WWFジャパン、日本ユニセフ協会、ジャパン・プラットフォーム

良質な金融・投資商品およびサービスの開発と提供

大和証券では、「人生100年時代」における資産運用の重要性が強く叫ばれる現在、良質な商品を開発・提供することが社会における大きな役割のひとつであると考えています。経済・社会の変化や、多様なお客様のニーズおよび満足度を踏まえた商品の開発とクオリティの向上に努めています。

大和ネクスト銀行「応援定期預金」

「応援定期預金」は、がんばっている人や団体を応援する預金です。お預入れ残高に⼀定割合を乗じた金額を、大和ネクスト銀行がお客様の選んだ応援先に寄付します。現在、「こどもの医療支援」「こどもの自立支援」「障がい者スポーツ支援」「環境保護」の4つのテーマで課題解決に取り組む10以上の団体を応援しています。
お客様からは「社会課題を知る良いきっかけになった」「同様の取組みがもっと広がるといいと思う」などのお声をいただいています。
この応援定期預金は、SDGsの達成に貢献するものとして特筆すべき功績があったと認められ、第3回「ジャパンSDGsアワード」における特別賞「SDGs パートナーシップ賞」を受賞(2019年12月)しました。

ソリューションビジネスへの取組み

中小企業や小規模事業者では、経営者の高齢化の進展により、その多くが事業承継のタイミングを迎えようとしています。ただ、今後10年間で、平均引退年齢である70歳を超える経営者のうち、約半数が後継者未定といわれています。また、足許では、コロナ禍による未曾有の経営環境の悪化により、地域経済を支える事業活動の継続性自体にも逆風が吹いています。大和証券では、中小企業の貴重な経営資源や、雇用・技術を次世代に引き継ぎ、地域のサプライチェーンを維持することを金融面からしっかりとサポートすることは、金融機関としての責務であると考え、相続・事業承継・M&A等のソリューション提供を通じて、優良中小企業の存続・発展的成長を促すことにより、日本経済の成長を支援していきます。

「ファンドラップ」の取組み

ダイワファンドラップは投資一任契約のもと、お客様に代わり大和証券が資産の運用・管理を行なうことにより、投資経験のない方や忙しい方でも、中長期での分散投資を始めていただくことができるサービスです。公的年金の運用主体など、プロの機関投資家が取り入れている国際分散投資を、それぞれのお客様の投資方針に応じて行なっていただけるよう、プランを提供しています。長引く低金利等による運用難への対応策として、国際的な分散投資による効率的かつ安定的な資産運用は、多くの投資家にとってより重要になってきています。中長期のサービス提供のため、契約にいたるまでのお客様へのていねいな説明、3ヵ月に一度の定期的な運用実績の報告およびフォローアップセミナーの随時開催など、密接なコミュニケーションを心がけて信頼関係の構築を図っています。また、「ダイワファンドラップ プレミアム」(2016年10月取扱開始)では、複数口での運用やカスタマイズ性の高いポートフォリオ設計等によりきめ細やかなサービスを提供します。なかでも「相続時受取人指定サービス」や、「暦年贈与サービス」(2018年7月提供開始)では相続対策に関心の高いお客様にご満足いただけるようなサービスとなっています。
さらに、「ダイワファンドラップ オンライン」(2017年1月取扱開始)では、最低投資金額1万円からロボ・アドバイザーによる最適な運用スタイルをご提案するなど、長期的な資産運用を望まれるお客様がオンラインで手軽に国際分散投資をご利用いただけるようサービスの提供を行なっています。
今後とも、お客様に長くお付き合いいただけるよう、パフォーマンスとサービスの質を向上すべく、体制やシステムの整備への取組みを続けていきます。

  • 国内ラップ口座残高:8兆7,774億円(2020年3月末現在)
  • 出典:一般社団法人日本投資顧問業協会公表資料
  • 大和証券におけるラップ口座残高:2兆874億円(2020年3月末現在)
  • 出典:一般社団法人日本投資顧問業協会公表資料

大和アセットマネジメントの取組み 

安定的に優れた運用力を構築するために、アクティブファンドとして適切なリスクを取ることをひとつの柱としています。そのために、ファンドマネージャーが十分な検討を経たうえでリスクを取れるよう、リサーチ部門や各専門部署から情報を集結しサポートする体制を構築しています。特に、個別銘柄のピックアップを高いパフォーマンスの主要な源泉とすべく、銘柄発掘能力の向上に力を注いでいます。
そのなかで、長期的な観点から重視しているのがESG情報です。大和アセットマネジメントでは、国連責任投資原則(PRI)および21世紀金融行動原則の署名機関として、運用本部内に担当者を配置し、組織的にESG投資への取組みを推進してきました。日本版スチュワードシップ・コードの受け入れ以降では、「統合報告書」をテーマとする対話を行なうなど投資先企業との対話の深化を図っています。2018年10月には、スチュワードシップ・ESG推進課を設置し、ESG観点の取入れの推進、モニタリング等を強化しました。また2020年1月には、ESGに対する考え方を明確化すべく、「ESG投資方針」を公表しました。当該方針は、原則として同社の全ての運用戦略に適用されています。2020年2月には、個人投資家・販売会社におけるESG投資およびSDGsへの関心の高まりを受けて、E(環境)に着目した「クリーンテック株式&グリーンボンド・ファンド(資産成長型/予想分配金提示型)愛称:みらいEarth」を設定しました。
時代の流れやお客様のニーズを常に把握し、商品の開発に活かしていくことは、特に重要です。そのために、お客様向けセミナーや独自のコールセンターを運用するなど、緊密なコミュニケーションに努めるとともに、販売会社を支援する体制も整備しながら「貯蓄から資産形成へ」の流れをサポートしていきます。

社会問題の解決に向けたREIT等の取組み

大和リアル・エステート・アセット・マネジメントは、投資法人やファンドの仕組みにより、オフィス・賃貸住宅・ヘルスケア施設・ホテル・物流施設などの不動産や、再生可能エネルギー発電所などのインフラ資産に対して資本市場を通じた資金を供給することで、良質な不動産の整備・開発や環境にやさしい社会インフラの整備に貢献していきます。

ヘルスケア施設への投資

同社では日本初のヘルスケア施設特化型REITである「日本ヘルスケア投資法人」を運用していましたが、同じく同社が運用する住宅特化型REITである「日本賃貸住宅投資法人」と2020年4月1日付で合併し、ヘルスケア施設運用資産額最大のJリート「大和証券リビング投資法人(以下、DLI)」として生まれ変わりました。DLIは、高齢化のさらなる進展により、中長期的な社会的需要の拡大が見込まれる優良なヘルスケア施設への投資を通じて、政府SDGs推進本部策定のSDGs実施指針の中で日本の社会的課題とされている「健康・長寿の達成」の実現に寄与していきます。

ヘルスケア施設総額

  • 約869億円(2020年5月末現在)

再生可能エネルギーへの投資

インフラ資産については、2014年度から太陽光発電所の運用を開始しており、2017年度には大和エナジー・インフラが投資するバイオマス発電所の運用業務を受託しています。その後も運用資産残高を拡大するとともに、再生可能エネルギー分野における投資運用の知見の蓄積を図っています。

再生可能エネルギー発電所の運用実績

  • 件数:17件
    (北海道、東北、北陸、関東、中部、中国、四国)
  • 出力:約120MW(底地運用資産分を除く)
  • 年間発電量実績(2019年6月~2020年5月):153,414MWh
    (想定CO2削減量:72,872t-CO2、排出係数0.000475t-CO2/kWhにて算出)
  • 運用資産残高:約508億円

グループ横断の金融イノベーション研究

大和証券グループでは、2016年度にグループ横断の研究活動の場として金融イノベーション連絡会を発足させ、大和証券グループ本社、大和証券、大和総研、大和アセットマネジメント等の実務担当者により、AI技術を始めとする先端技術に関する研究活動を進めています。
具体的には、株価予測モデルを用いた銘柄情報の提供サービス、リアルタイム株式出来高予測モデル、株主優待ロボアドバイザー、ビジネスマッチングAIサービス、AIによる企業分析ツール等の研究成果を生んできました。
また、研究活動のさらなる発展と裾野拡大のため、2017年度には「大和証券グループ・東京大学 未来金融フォーラム」を発足させ、その発展形として、2018年度より東京大学和泉研究室との社会連携講座「次世代運用テクノロジー」を通じた共同研究を実施しており、連想検索によるテーマ銘柄検索システムを開発しました。
大和証券グループは、今後も継続的な研究活動を通じて、金融業界におけるイノベーションを推進していきます。

FinTech・AI(人工知能)への対応

大和証券は、1996年に日本で初めてインターネットでの証券取引「ダイワのオンライントレード」を開始してから、20年以上にわたりさまざまな商品・サービスを次々と手掛けてきました。近年、携帯情報端末の普及や情報通信技術の発達により、インターネットチャネルの重要性はますます高まってきており、当社の2020年3月末での契約口座数は330万口座以上に上っています。また、株式取引のうち約80%がオンライントレード経由と、大和証券にとってなくてはならないチャネルへと成長しています。
2017年5月より、大和証券グループのシンクタンクである大和総研が開発した人工知能(AI)による株価予測モデルを用いて選定した国内銘柄の情報を「ダイワのオンライントレード」にて提供しています。人工知能(AI)関連技術である機械学習の手法を用いて、決算発表後緩やかに上昇する可能性が高い銘柄の選定を行ない、2019年には主な決算発表の時期にあわせて計4回情報を配信しました。
また、2019年2月より国内株式の取引機能を持つスマートフォンアプリ「株walk」(iPhone、Androidにて提供)において、生体認証によるログイン機能を導入しました。これら「金融」と「IT(情報技術)」の融合『FinTech(フィンテック)』やAIといった新しい技術の積極的な活用を進め、これまで証券投資に馴染みのなかった方々、特に若年層の証券投資への興味を促し、「貯蓄から資産形成へ」を後押しすることで、日本の健全な経済の発展に貢献できると考えています。
現在AIを活用したさまざまなサービスの普及や、FinTechの動きはますます加速しており、これらを駆使した新たな金融サービスが身近になりつつあります。その潮流をしっかり見据え、インバウンドを中心とした次世代の富裕層や若年層から選ばれるチャネルとして、今後も利便性の向上や良質なサービスの提供に努めていきます。

ダイワのオンライントレード

  • 契約口座数:3,362,505口座
    (2020年3月末)

AIによる金融サービス高度化支援を通じた地域経済活性化への貢献

ITの技術的進展や学術的評価の高まりから、人工知能(AI)技術のビジネス適用が盛んに進められています。多くの金融機関からシステムの開発を受託している大和総研ビジネス・イノベーションでは、その研究と応用に向けた取組みを推進しています。
AIを活用した金融サービス高度化支援の一環として、豊富な金融システム開発経験と独自のデータサイエンス・ノウハウを掛け合わせ、個人のお客様の金融動態や心理を高い精度でAIに学習させることができる、共通データ定義を開発しました。このデータ定義を基盤とする金融商品レコメンドAIシステムを構築し、2019年から一部の地域金融機関向けに提供しています。これにより、各地域金融機関が、お客様の金融ニーズをAIでより正確に予測できるようになる効果が期待されます。
大和証券グループは、先端技術を積極的に活用した取り組みにより、地域社会経済の発展に貢献していきます。