健康経営
健康経営宣言(考え方・方針)
当社グループは、企業理念に「人材の重視」を掲げています。競争力の源泉は人材であるとの考えにもとづき、将来にわたり社員のウェルビーイング※向上により生産性を高め、組織として高いパフォーマンスを発揮し続けることを目指し、健康経営®の推進に戦略的に取り組んでいきます。
- ※ウェルビーイング(Well-being):身体的・精神的・社会的に良好な状態。
推進体制
CHO(最高健康責任者)に人事担当役員を選任し、グループ各社の役員も積極的に関与して健康経営を推進しています。毎年、グループ全役職員の健康状態を分析した「健康白書」を作成し、CHO主催の「健康経営推進会議」※を四半期ごとにグループ横断で開催することで課題認識、取組みの評価・改善を行ない、健康経営のPDCAを回しています。
当社は2015年以降、経済産業省が東京証券取引所と共同で選定する「健康経営銘柄」に10回、日本健康会議が認定する「健康経営優良法人(ホワイト500)」に9回選ばれています。
- ※グループ各社人事担当役員、従業員組合、健康保険組合等が参加


また、人事部・総合健康開発センター(医務室)・健康保険組合が強く連携し、三位一体で取組みを行なっています。3者が協働して健康施策に関する企画・発信を行なうほか、日常的に意見交換を行なうことで実効性を高めています。
これまでのあゆみ
主な実績 | 外部評価 | |
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2008年度 |
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2009年度 |
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2010年度 | ウォーキングチャレンジ・禁煙チャレンジ開始 | |
2011年度 | 腹八分目(ハラハチ)キャンペーン開始 | |
2012年度 | レッドケースサポートプログラム(重症者対応)開始 | |
2013年度 | 「健康寿命をのばそうアワード」厚生労働大臣賞 受賞 | |
2014年度 | 「厚生労働白書」に当社グループの取組みが掲載 |
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2015年度 |
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2016年度 | 「KA・RA・DAいきいきプロジェクト~Healthy Lifestyle~」導入 |
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2017年度 | 「ガンばるサポート ~がん就労支援プラン~」導入 |
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2018年度 | 女性の健康課題への取組み「Daiwa ELLE Plan」導入 |
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2019年度 |
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2020年度 | 「ダイワオンラインケア」を導入 |
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2021年度 |
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2022年度 |
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2023年度 |
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2024年度 |
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目標
健康経営による生産性の向上を測るため、プレゼンティーイズム※1、アブセンティーイズム※2を指標としています。
指標 | 目標値(2030年度) |
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プレゼンティーズム 損失割合 |
10.0%未満 |
アブセンティーイズム 平均値 |
3.0日以下 |
- ※1何らかの疾患や症状を抱えながら出勤し、業務遂行能力や生産性が低下している状態。病気やケガがないときに発揮できる仕事の出来を100%として、過去4週間の自身の仕事を評価するアンケートを実施して算出。数値が小さいほど生産性が高い。
- ※2病欠、病気休業の状態。過去1年間に自分の病気で何日仕事を休んだかを問うアンケートを実施して算出。日数が少ないほど生産性が高い。
各種健康施策とその効果、健康経営で目指す経営目標とのつながり(戦略マップ)

健康課題
加齢とともに肥満者は増加する傾向があるため、若いうちから健康意識を高める必要があります。特に若年層では、男性の喫煙率が高く、男女とも朝食を抜く割合が増加傾向となっているなど、生活習慣に課題があり、肥満対策とあわせて、適切な生活習慣を維持するための施策が重要です。
生活習慣病リスクでは、特定保健指導レベルに該当する人は男女ともにゆるやかに上昇傾向にあります。
重点領域 | 健康課題 |
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生活習慣 | 健康リスク保有者(特に肥満、高血圧)の減少および健康的な生活習慣の定着(喫煙、運動・食習慣、睡眠の質向上等) |
若年層 | 若年層の健康意識向上・ヘルスリテラシーの向上 |
女性 | 女性特有の健康課題への対処、女性活躍機会の増加 |
がん | がんの早期発見・早期治療、仕事とがん治療の両立支援 |
メンタル ヘルス |
ストレスに対処するスキルの習得、メンタルヘルス不調の早期発見 |
主な取組み事例・取組みの成果
ダイワオンラインケアの利用増加
全国各地から受診可能なオンライン診療「ダイワオンラインケア」を提供しており、利用実績が拡大しています。年間の受診件数は1,000件を超えており、特に全国各地の支店からの利用が増加しています。
通常の診療に加えて、健診結果やこころの健康に関する相談、禁煙外来も行なっています(費用負担は診療代・薬代のみ)。2023年4月より婦人科診療を開始。
【診療対象となる疾患】
花粉症、アレルギー性鼻炎、慢性蕁麻疹、高血圧症、糖尿病、脂質異常症、消化器疾患(流動性食道炎、慢性的な胃部不快感・膨満感、胃炎、過敏性腸症候群等)、喘息等の呼吸器疾患、高尿酸血症、慢性腰痛、慢性頭痛、禁煙外来・相談(医師・保健師)、無呼吸検査外来、婦人科診療・相談、こころの健康相談(精神科医・臨床心理士)、からだの健康相談(産業医)
【処方薬】
自宅に郵送(郵送費は会社負担)
【利用の流れ】

Daiwa ELLE Plan+(ダイワエルプランプラス)
女性にはライフステージによりさまざまな健康課題があり、国においても男女が互いの性差に応じた健康について理解を深めつつ、性差に応じた健康支援の取組みを推進しています。このような背景のもと、女性の更年期への対策支援、エル休暇(月経・更年期の体調不良、不妊治療の際に取得)の新設、社員の健康リテラシーの向上、仕事と不妊治療の両立支援等を拡充しました。その結果、生産性の向上や不妊治療による離職の抑制、女性管理職の増加などさまざまな効果が表れています。

- ※拡充した新たな施策は赤字
- ※2024年度大和証券のエル休暇取得総日数は5,174日
- ※2024年10月、フェムテックを活用し、月経の不調・ストレスを改善することを目的とした3か月間のプログラムを実施(投資額は約130万円)、女性社員225名が参加。実施後アンケートでは、参加者の67.8%が「自分の体調変化を把握できた」、87.3%が「ヘルスリテラシーが向上」、73.8%が「パフォーマンスを落とさないための行動ができた」、86.1%が「前向きな行動や気持ちの変化が起こった」と回答。
女性がん検診の受診率が継続的に改善
2019年度より定期健診項目にがん検診を統合した結果、受診率は大幅に改善しています。直近では子宮頸がん検診、乳がん検診のいずれも8割前後の社員が受診しています。
女性がん検診受診率の推移(35歳未満)

- (出所)大和総研
若年層の運動習慣は上昇傾向
若年層(20代・30代)の男女ともに、運動習慣のある社員の割合は一貫して上昇傾向となっている。コロナ禍の2020年度においても上昇傾向が継続したのは、2019年に導入したフィットネスアプリ「Beatfit」※が、体を動かす習慣のなかった社員の取り込みに寄与したためと考えられます。
また、「KA・RA・DAいきいきプロジェクト」への参加も促し、生活習慣の意識付けを継続しています。
- ※2019年度サービス開始からの累計新規利用者数のうち、20代・30代は5割弱を占める。
運動の習慣がある社員の割合


- (出所)KOSMO情報分析システムから、大和総研が作成
- (注)定期健診の問診にて、「1回30分以上の軽く汗をかく運動を週2日以上、1年以上実施」と回答した人の割合
メンタルヘルスサポートの拡充(マインドフルネス研修)
一般的に入社1,2年目の社員は新しい環境下でストレスを感じやすいため、メンタルヘルスの取組みとして、新入社員向けに、慶應義塾大学医学部の精神科医と協力し、当社グループ向けにカスタマイズしたマインドフルネス研修を導入しています。

- ※MBCTプログラム(Mindfulness-based cognitive therapy(マインドフルネス認知療法))
戦略的ウェルビーイング経営をすべての企業に
当社グループの大和総研では、社会保険分野において長年培った医療保険制度に関する高い専門性に基づき、データヘルス計画実行支援、健康経営コンサルティングなどお客様のニーズに合わせたソリューションを提供しています。また、健康保険組合のお客様向けに柔軟な拡張性と高度なセキュリティを備えた標準プラットフォーム型の基幹業務サービスを提供し、業界トップシェアを獲得しています。今後は、これらのソリューションをコアに、企業のウェルビーイング経営を支援する多様なヘルステックサービスをワンパッケージで提供していきます。
2025年に提供を開始するハービットでは、従業員にとっては、ウェルビーイングを支援するサービスへのアクセスがスムーズになります。スマホアプリを介して日常的に自身の健康や幸福を探究することができます。経営者にとっては、従業員のウェルビーイングが働きやすさに繋がり、企業の生産性を向上させることができます。また、点在する従業員に紐づくデータを一括管理・可視化することで、人的資本の情報を投資家や就職活動中の学生、社会人に示すことができます。従業員のエンゲージメントを高めながら、人的投資の投資対効果を最大化することができます。
大和総研のセキュアなシステムを基盤に、サービスに集積される様々なデータの分析を通じて従業員の生活の充実と企業価値の向上に貢献していきます。

外部からの評価

- ※当社グループの健康経営の取組みについて、お問い合わせいただいた取引先企業様などにご説明させていただいております。
その他関連データ
2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | |||
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肥満率(30代)※1 | 男性 | 25.7% | 26.2% | 27.6% | |
女性 | 9.9% | 9.6% | 9.7% | ||
喫煙率 | 男性 | 27.1% | 27.3% | 27.2% | |
女性 | 6.2% | 6.2% | 6.1% | ||
運動習慣者率 | (20代) | 男性 | 28.5% | 29.9% | 31.4% |
女性 | 16.9% | 19.2% | 18.0% | ||
(30代) | 男性 | 23.8% | 24.3% | 27.3% | |
女性 | 13.7% | 13.2% | 14.7% | ||
「睡眠により十分な休養が取れている人」の割合 | 67.9% | 65.8% | 64.5% | ||
プレゼンティーズム損失割合※2 | 12.6% | 13.9% | 14.5% | ||
アブセンティーズム平均値※2 | 3.1日 | 3.9日 | 4.0日 | ||
持続可能なエンゲージメント※3 | 79% | 80% | 81% | ||
管理職に占める女性比率 | (グループ連結) | 16.9% | 18.4% | 20.4% | |
(大和証券単体)※4 | 19.9% | 21.1% | 23.2% | ||
ストレスチェック受検率 | 91.3% | 93.1% | 93.6% | ||
高ストレス者率 | 11.2% | 10.0% | 9.4% | ||
定期健康診断の受診率 | 100% | 100% | 100% | ||
定期健康診断後有所見者の医療機関受診率 | 82.9% | 82.2% | 81.4% |
- ※1目標:30歳代肥満率を2027年までに2018年度比3割減(男性20%・女性8%)。2021年度より目標を35歳肥満率から30歳代肥満率へ変更。
- ※22024年度回答者数12,795名、回答率100%。2023年度のアブセンティーズム平均値は、体調不良やケガによる休みを含む。
- ※3持続可能なエンゲージメントとは、生産的な職場環境、心身の健康などによって維持される、目標達成に向けた高い貢献意欲や組織に対する強い帰属意識を指す。タワーズワトソン社は、同スコアが高い企業は当該企業が属する業界の平均的な成長率を上回る業績成長を見せる傾向にあるとしている。意識調査は2022年度よりグループ全体(数値は下期実施分)で実施。2024年度実施分:回答者数12,169名、回答率91%。数値はサーベイパートナーであるタワーズワトソン社より提供。
- ※4目標:2025年度までに25%以上。
- ※安全衛生委員会を従業員組合参加のもと実施している。2024年度の業務上及び通勤途上の災害(軽い怪我など)件数は35件。
- ※「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。