コーポレート・ガバナンス

コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方

大和証券グループ本社は、株主の権利および利益を尊重するとともに、あらゆるステークホルダーの立場を考慮し、「信頼の構築」「人材の重視」「社会への貢献」「健全な利益の確保」という企業理念の実現を通じて、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図ります。

そのため、当社は、持株会社体制によるグループ経営を実践し、国際的な水準に適う透明性・客観性の高いガバナンス態勢を構築するとともに、効率性の高いグループ会社監督機能を実現し、グループ各社間のシナジーを発揮する一体感のあるグループ経営体制を構築していきます。

当社は、機関設計として、次の(1)、(2)による経営監視機能を発揮することを目的として、指名委員会等設置会社を採用しています。

  1. (1)取締役会から執行役への大幅な権限委譲および執行役の業務分掌の明確化により迅速・果断な意思決定を行うこと
  2. (2)独立性の高い社外取締役が過半数を占める指名委員会・監査委員会・報酬委員会の三委員会を設置することにより経営の透明性と公正性の向上を図ること

また、当社は、あらゆるステークホルダーからの信頼を獲得し、企業としての社会的責任を果たすべく積極的に取組みを行なっています。当社の社会的責任には、お客様への優れた商品・サービスの提供と誠実な対応、株主への適切な利益還元と情報開示、従業員の労働環境・人事評価上の施策、そして法令遵守・企業倫理の確立、環境マネジメント、社会貢献等の実にさまざまな側面があります。

それらの取組みにより、透明性、機動性、効率性を重視したコーポレート・ガバナンス体制の一層の強化が図られ、持続的な企業価値の向上につながるものと考えています。

コーポレート・ガバナンスに関するガイドライン

当社のコーポレート・ガバナンスに関するガイドラインは、大和証券グループのコーポレート・ガバナンスの基本的な枠組みと方針を定めています。

大和証券グループ本社 
コーポレート・ガバナンスに関するガイドライン

  1. 前文コーポレート・ガバナンスの目的
  2. 第1条コーポレート・ガバナンスの基本的な考え方と
    当ガイドラインの位置づけ
  3. 第2条機関設計(指名委員会等設置会社の採用)
  4. 第3条取締役会の役割
  5. 第4条取締役会の構成
  6. 第5条取締役会議長
  7. 第6条委員会の構成
  8. 第7条取締役会の議題の設定と運営
  9. 第8条取締役の役割と要件
  10. 第9条社外取締役の役割と要件
  11. 第10条社外取締役会議
  12. 第11条取締役へのサポート体制(情報提供・研修を含む)
  13. 第12条取締役会の実効性評価
  1. 第13条執行役の役割
  2. 第14条指名委員会の役割
  3. 第15条CEOの後継者計画
  4. 第16条報酬委員会の役割
  5. 第17条監査委員会の権限・役割
  6. 第18条内部統制システム
  7. 第19条情報開示
  8. 第20条株主の平等性の確保
  9. 第21条関連当事者間取引
  10. 第22条株主および投資家との対話
  11. 第23条ステークホルダーとの対話
  12. 第24条政策保有株式に関する基本方針
  13. 第25条ガイドラインの改廃

コーポレート・ガバナンス体制

当社はコーポレート・ガバナンス体制として、監督機関としての取締役会及び下記の指名委員会・監査委員会・報酬委員会の三委員会、取締役会の分科会としての社外取締役会議、業務執行機関としての執行役会及びその分科会であるグループリスクマネジメント会議・グループコンプライアンス会議・ディスクロージャー委員会・グループデジタル戦略会議並びに代表執行役社長CEO直轄の内部監査機関であるグループ内部監査会議を設置しています。

大和証券グループのコーポレート・ガバナンス体制図

大和証券グループのコーポレート・ガバナンス体制図

取締役会・各種委員会等の役割、責務、構成、取組み状況

取締役会・各種委員会等の詳細については下記をご参照下さい。

掲載項目一覧 コーポレート・ガバナンス
に関する報告書
有価証券報告書
取締役会 役割・責務 ●(議題を含む)
メンバーおよび出席状況
取締役会の実効性評価
指名委員会 役割・責務 ●(議題を含む)
構成
メンバーおよび出席状況
指名の方針等
監査委員会 役割・責務 ●(議題を含む)
構成
メンバーおよび出席状況
監査委員会の活動
報酬委員会 役割・責務 ●(議題を含む)
構成
メンバーおよび出席状況
社外取締役会議 役割・責務 ●(議題を含む) ●(議題を含む)
執行役会 役割・責務
構成
分科会
グループ内部監査会議 役割・責務
構成

社内取締役のスキルマトリックス

  現在の当社における地位、担当 取締役
在任年数
企業経営 財務会計 法務・
コンプライアンス
DX・
情報通信
グローバル サステナビリティ※1
中田 誠司 取締役会長 兼 執行役
取締役会議長
指名委員 報酬委員 9年 当社グループの経営管理を適切に実行する
知識・経験を有しております
荻野 明彦 取締役 兼 代表執行役社長
最高経営責任者(CEO)
指名委員 報酬委員 4年
新妻 信介 代表執行役副社長
最高執行責任者(COO)兼 ウェルスマネジメント担当
-
田代 桂子 取締役 兼 執行役副社長
サステナビリティ担当 兼 金融経済教育担当 兼
証券アセットマネジメント担当 兼 シンクタンク担当
10年
佐藤 英二 専務執行役
企画担当
-
花岡 幸子 取締役 監査委員 5年

社外取締役のスキルマトリックス

  現在の当社における地位、担当
(★は委員長)
取締役
在任年数
企業経営 財務会計 法務・
コンプライアンス
DX・
情報通信
グローバル サステナビリティ※1
河合 江理子 社外取締役 指名委員 報酬委員 6年
西川 克行 社外取締役 指名委員 監査委員 5年
岩本 敏男 社外取締役 指名委員★ 報酬委員 4年
村上 由美子 社外取締役 監査委員 報酬委員 3年
伊岐 典子 社外取締役 指名委員 監査委員 1年
柚木 真美※2 社外取締役 監査委員 報酬委員 -
  • ※1判断基準:サステナビリティ関連業務経験(当社グループのサステナビリティ戦略を推進する職務経験を含む)を有する者
  • ※2柚木 真美氏の戸籍上の氏名は、加藤 真美であります。

グループ会社間の利益相反取引への対応について

グループ内取引などにおいて起こりうる当社とグループ会社との間の利益相反に関しては、会社法に定める利益相反取引についての規程を取締役会同様、執行役会にも準用しています。当事者たるグループ会社の役員を兼務し、決議事項に特別の利害関係を有する執行役は決議に参加しないことを定めることで、当社とグループ会社との間の利益相反取引について適切に対応しています。

業績連動性を重視した役員報酬制度

大和証券グループ本社では、会社法の定めるところにより、報酬委員会が「取締役及び執行役の報酬の内容の決定に関する方針」を決定しています。

取締役及び執行役の報酬の内容の決定に関する方針

取締役及び執行役の報酬については、以下を基本方針としています。

  • 健全なビジネス展開を通じて株主価値の増大に寄与し、短期及び中長期の業績向上へ結びつくインセンティブが有効に機能すること
  • グローバルに展開する証券グループとして、国内はもとより、国際的にも競争力のある水準であること
  • 指名委員会等設置会社として、執行と監督が有効に機能すること

取締役及び執行役の報酬は、報酬委員会において決定しており、基本報酬、株価連動型報酬、業績連動型報酬で構成され、具体的には以下のとおりです。

  • 基本報酬
    • 基本報酬は、役職、職責、役割に応じた金銭による月例の固定報酬とする。
  • 株価連動型報酬
    • 株価連動型報酬として、株主価値との連動性を高めるために、基本報酬の一定割合に相当する価値の譲渡制限付株式等を非金銭報酬として毎年一定の時期に付与する。
  • 業績連動型報酬
    • 業績連動型報酬は、中期経営計画において業績KPIとしている連結ROE、連結経常利益、ベース利益を基準に、中期経営計画における経営目標の達成状況等を総合的に加味した上で、個人の貢献度合に応じて決定し、毎年一定の時期に金銭及び譲渡制限付株式等によって支給する。
    • 業績に応じて金銭で支給する業績連動型報酬に一定の上限を設け、これを上回る場合は報酬の一部を金銭から譲渡制限付株式に置き換えて支給する。
    • 執行役を兼務しない取締役に対しては、業績連動型報酬を設定しない。
  • (注)ベース利益:ウェルスマネジメント、証券アセットマネジメント、不動産アセットマネジメントの経常利益の合計。

報酬委員会は、当事業年度に係る取締役及び執行役の個人別の報酬等について、「取締役及び執行役の報酬の内容の決定に関する方針」の整合性を確認した上で報酬の内容を決定したことから、当該決定方針に沿うものであると判断しております。

<業績連動型報酬>
業績連動型報酬の算定においては、中期経営計画“Passion for the Best” 2026において数値目標として掲げる各KPIを参照しています。
業績連動型報酬を算定するための業績評価は、財務情報を用いた業績KPIに基づく財務業績評価に、業績KPI以外のKPIを総合的に評価したクオリティ評価を反映します。財務業績評価およびクオリティ評価は、報酬委員会にて決定しています。
業績連動型報酬は、役職ごとに定めた基準額に業績評価を掛け合わせ、個人の貢献度合を反映のうえ算定します。なお、業績評価は、全ての役職において同一の算定式を適用しています。

業績連動型報酬にかかる指標は以下の通りです。

業績連動型報酬にかかる指標
  • (注)基準値は、中期経営計画の目標値を踏まえて報酬委員会にて決定しています。

<役員報酬体系のイメージ>

役員報酬体系のイメージ

業績連動型報酬(金銭)の一定割合に相当する価値の譲渡制限付株式を支給することにより、長期の業績向上や持続的な成長へのインセンティブがより働く体系としております。
業績連動型報酬が一定の上限を上回る場合には、上回る部分を譲渡制限付株式で支給するとともに、傾きを立てることにより、長期の業績向上や持続的な成長へのインセンティブがより働く体系としております。

<譲渡制限付株式報酬制度>
当社では、中長期の業績向上へのインセンティブをより高めるとともに、当社及び当社子会社の取締役・執行役・執行役員等と株主との一層の価値共有を進めることを目的として、譲渡制限付株式報酬制度を導入しております。

株式報酬Ⅰ
(株価連動型報酬)
基本報酬の一定割合に相当する価値の譲渡制限付株式を支給するものであり、長期的な業績向上へのインセンティブとして有効に機能するため、当社、当社子会社及び当社関連会社の役員等のいずれの地位も退任した後に譲渡制限を解除することとしております。
株式報酬Ⅱ
(業績連動型報酬)
業績連動型報酬(金銭)の一定割合に相当する価値の譲渡制限付株式を支給するものです。譲渡制限期間は3年としており、長期的な業績向上へのインセンティブとなることに加え、実質的な報酬の繰延として機能します。
株式報酬Ⅲ
(業績連動型報酬)
業績に応じて金銭で支給する業績連動型報酬に一定の上限を設け、これを上回る場合は報酬の一部を金銭から譲渡制限付株式に置き換えて支給するものです。譲渡制限期間は3年としており、業績連動型報酬が一定の上限を上回る場合には実質的な報酬の繰延として機能します。
  • 株式報酬Ⅱは、業績連動型報酬(金銭)に役職ごとに定めた割合を掛け合わせて算定します。
    代表執行役社長(CEO)については、業績評価期間にかかる当社TSR(Total Shareholder Return(株主総利回り))とTOPIX騰落率や競合他社TSRとの相対評価に応じて、報酬委員会にて割合を決定する仕組みとしています。
  • 当社グループにおいて重大なコンプライアンス違反等が判明した場合には、未支給の株式報酬の没収(マルス)に加え、報酬委員会での審議等により、支給済みの株式報酬の全部又は一部について返還請求が可能な仕組み(クローバック)を導入しています。

<役員の報酬額の決定等にかかる手続き>
役員の報酬額の決定等にかかる手続きの詳細については、下記をご参照ください

<役員ごとの連結報酬等の総額等>
役員ごとの連結報酬等の総額等の詳細については、下記をご参照ください

内部統制および内部監査について

当社グループでは、業務を健全かつ適切に遂行できる内部統制態勢の維持は経営者の責任であると考え、グループの事業に係る各種の主要なリスクについて当社を中心とする管理態勢を構築し、業務の有効性および効率性、財務報告の信頼性、事業活動にかかわる法令等の遵守、資産の保全などを図っています。

健全かつ効率的な内部統制態勢の構築を通じてグループの価値が高められるとの認識にもとづき、内部監査はそのなかで重要な機能を担うものと位置付け、当社に専任の内部監査担当執行役を置き、他の部署から独立した内部監査部が内部統制態勢を検証しています。
内部監査部は、リスクベースの監査を行ない、企業価値向上に努めています。

グループの事業に関して内部監査で着目している事項の例

  • 大和証券および海外拠点におけるグローバルな金融商品取引業者としての内部統制態勢
  • グループ各社における事業の状況および当社からの統制の状況など
大和証券グループの内部監査体制図
大和証券グループの内部監査体制図

計画承認と結果報告

内部監査計画の承認および監査結果の報告は、グループ内部監査会議で行なっています。また、内部監査計画は、監査委員会または監査委員会から一定の職務権限を付与された選定監査委員の同意を得るものとし、監査結果は監査委員会にも直接報告しています。

グループ内外との協働および態勢強化

国内外の主要なグループ会社に設置されている内部監査部門との連携は、定例会議、モニタリングおよび監査活動を通じて実施しています。
当社内部監査部は、監査活動を効率的に行なうために監査委員会および会計監査人と連絡、調整を行なっているほか、監査委員会から調査の委嘱を受ける場合があります。これらの内部監査活動全般に関しては、内部監査のグローバルスタンダードである「内部監査の専門職的実施の国際基準」(内部監査人協会)に対する充足度について、外部の独立した第三者機関による定期的な評価を受けることで、継続的な態勢強化を図っています。