デジタル戦略・システムリスク管理
大和証券グループは、中期経営計画“Passion for the Best” 2026のグループ戦略骨子の一つとして「デジタル・イノベーションの追求」を掲げています。この戦略骨子にもとづき、テクノロジーの活用による既存ビジネスの深化を加速するとともに、AIやWeb3.0※等の先端テクノロジーを活用した新たなビジネスを展開する等、「デジタル戦略」を推進します。
- ※ユーザが自身のデータを自ら制御して価値取引を行えることを目指した分散型インターネットの概念で、次世代のWebの形式を指す
IT組織・体制
当社グループは、大和証券グループ本社に「グループデジタル戦略会議」(執行役会の分科会)、大和証券に「デジタル戦略会議」(経営会議の分科会)をそれぞれ設置しています。従来の経営戦略とデジタル戦略の一体化・IT投資に関する意思決定に加え、各ビジネス部門がAI活用によるビジネスイノベーションの推進状況と成果を両会議の議長であるCEOに直接報告・議論する場として機能しています。
こうした体制のもと、Microsoft Copilotの全社導入や全社員のデジタルリテラシー向上を目的とした「Daiwa Digital College」においてAIエージェントやAIガバナンスといったテーマをカリキュラムに取り入れるなど、現場主導のAI活用文化の醸成を図っています。また、「デジタルITマスター認定制度」により、高度なデジタル技術を活用したビジネス変革を担う人材の育成も行なっています。
IT投資の状況
当社グループは、グループ経営基本方針として掲げる「お客様の資産価値最大化」を達成するために、生成AIやWeb3.0等を活用したデジタル・イノベーションの追究、顧客体験の高度化ならびに事業の効率性・安全性を支えるITインフラの整備、法令・制度への対応、リスク管理の高度化などを目的とする設備投資を行なっています。
2025年度は、生成AIおよびクラウドの活用によるDXの加速を目的に、日本マイクロソフト株式会社と複数年にわたる戦略的枠組みに関する契約を締結しました。また、Sakana AI株式会社とのパートナーシップのもと、お客様のプロファイルや市場環境を踏まえ、金融資産に加え非金融資産も含めた包括的なポートフォリオ提案に特化したプラットフォームの共同開発を進めています。さらに、生成AIと音声認識を活用した顧客応対内容の自動記録により、提案力の向上、顧客接点の拡充、およびコミュニケーションの透明性確保を実現しました。
システムリスク管理
当社グループは、社内外に起因するさまざまな脅威やリスクから情報資産を保護し、お客様に高品質なサービスを安定的に提供するため、システムリスク管理態勢の維持・強化に取り組んでいます。なかでも、サイバーセキュリティをグループ経営上の重要課題と位置づけ、グループ横断の専門組織であるDaiwa-CSIRT※を中心に外部機関とも連携しながら、サイバー攻撃に対する防御力およびレジリエンスの高度化に継続的に取り組んでいます。
2026年7月には、グループ全体のサイバーセキュリティ管理のさらなる高度化を目的として、専担の統括部署を新設するとともにグループCISO(Chief Information Security Officer)を設置し、ガバナンス態勢を強化しました。これにより、サイバーリスクを経営レベルで一元的に把握・管理し、迅速かつ実効性のある意思決定と対策推進を可能としています。
新たな体制のもと、グループ横断でのサイバーリスクの可視化および優先度に基づく対策の推進、グループ会社を含めた統一的な管理・モニタリングの強化に取り組んでいます。
また、リスクベースの考え方に基づき、重要性および影響度を踏まえた対応の優先順位付けを行うことで、Daiwa-CSIRTによるインシデント対応機能と統括部署によるガバナンス機能を一体的に強化し、識別・防御・検知・対応・復旧の各プロセスを通じた予防から復旧までの一貫したサイバーレジリエンスの高度化を推進しています。
加えて、不正アクセス・不正取引への対策として、外部サービスや専門事業者を活用したフィッシングサイトの常時監視・閉鎖の実施やオンライントレードログイン時におけるパスキー認証の導入など、さらなる不正取引対策の強化を進めています。
また、地震や台風などの広域自然災害、大規模システム障害等に備えた重要業務継続体制の強化と実効性向上に向けた取組みも推進しており、災害時にも安定的なサービス提供が可能となるよう体制整備を図っています。
- ※サイバーセキュリティ管理組織。CSIRT(シーサート)はComputer Security Incident Response Teamの略