人材育成とスキルアップ

考え方・方針

大和証券グループの競争力の源泉は「人財」であり、変化し続けるビジネス環境においては、プロフェッショナルとして、社員ひとりひとりがパフォーマンス向上やキャリア実現のために何が必要かを考え、自律して学び続けることが求められます。多様性が競争力に直結する現代では、全員が同じものを学ぶスタイルでは通用しません。そこで、今までの必須プログラム、選択・選抜型がプログラムに加えて、個別最適化された学びを提供するため、全社員を対象とした新たなeラーニングを2023年度下期に導入しました。社員は、いつでも・どこでも、約14,000講座の中から自分に必要な最新の知識・スキルを選択、習得することが可能となります。また1on1ミーティングやタレントマネジメントシステムと連動・連携し、会社や上司が社員に適切な学びを促すことで、学びの文化・意識を醸成していきます。

教育・研修制度

大和証券グループにおける教育体系

今の業務に必要な要素を身に着けるため、業務として明確に位置付けて取り組む「必須プログラム」と、自身の将来のために必要な要素を身に着ける「選択型プログラム」を提供しており、社員一人ひとりの自発的なキャリア形成の実現を後押ししています。現場部署と人事部門が協働し、部門ごとのニーズに沿った研修プログラムを提供しており、より実践的なスキルを身に着けることが可能です。また、デジタル技術を活用し当社のビジネスを変革できる人材を育成する「デジタルITマスター認定制度」、全社員のITスキル向上を図る「Daiwa Digital College」を新設するなど、デジタルIT人材の育成にも取り組んでいます。

2023年度の研修実績

一人あたりの教育とキャリア開発の平均時間(2023年度) 56.4時間
教育投資にかかわる費用 21.6億円
社員1人あたりの費用 17.1万円

若手研修(1~2年目:ダイワベーシックプログラム、3~5年目:Q-Road)

本部ごとに入社5年後の目指す人物像と、そのために必要なスキル項目および水準を定め、インプットとアウトプットを交えた5年間の教育プログラムを実施しています。プログラム内容は、ビジネス戦略にあわせて適宜各本部と協働し見直しを行っています。また、社会人としてスタートを切る入社時の新入社員教育が最重要と位置づけ、当社グループの社員として求められる高い倫理観やプロフェッショナルとしてのマインド醸成から、各現場で早期に戦力となるための専門教育に至るまで、プログラムを充実させています。

選抜型プログラム

当社では選択型プログラムとしてスキル研修とUdemy Businessを実施・導入しています。
スキル研修は、金融や会計といった証券ビジネスに関するスキルを、eラーニングやオンライン講義で学ぶことのできる当社独自のコンテンツとなっています。
一方でITやコミュニケーション、リーダーシップ等のビジネススキルについては、Udemy Businessを活用することで、約14,000講座の中から、自身の課題や目指すキャリアに応じて、実践的かつ最先端の知見を学べます。
選択型プログラムの受講を通して、社員一人一人が自らの課題や目指すキャリアに応じて自らが選択し、自律して学び続ける文化の醸成を目指します。

次世代リーダー育成

大和リーダーシップ・プログラムという、次世代リーダー育成のための研修を約2か月半にわたり実施しています。外部教育機関と連携して構築した、一流の社外講師陣によるMBAスタイルのプログラムとなっており、講師及び他の受講者との討議を通じて経営理論を体系立てて学び、実践的な知識・ノウハウを習得します。さらに研修の最後には当社経営陣へのプレゼンテーションを行い、学びをアウトプットします。また、グループ各社から選出された受講者が集まるため、グループ横断のネットワークを構築する良い機会ともなっています。

資格取得支援

お客様ニーズの多様化を受け、質の高いソリューション提案の実現に繋がるよう、証券ビジネスと関連性の高いCFP®や証券アナリストの資格取得支援として、試験対策講座受講料・受験料の補助や社内コミュニティによる交流支援を行っています。この結果、当社が進める「資産管理型ビジネス」と非常に親和性が高い、世界が認めるプロフェッショナルFPの証であるCFP®は、国内企業・団体で初めて1,000名を突破し、金融機関では圧倒的にNo.1の認定者数となっています。その他にも、社員が高い専門性を習得し、それぞれの業務に活かすため、IT・語学・士業関連など、約100種類以上の様々な資格取得を支援しています。

主な資格取得者数(2024年3月末)

CFP®取得者数 1,570名
証券アナリスト®取得者数 1,553名

自律的なキャリア形成に向けた取組み

当社グループでは、目の前の業務に真摯に取組みつつ、次のあるべき姿を捉えて自走するマインドを持った社員を育成すべく、自律的なキャリア形成を後押しするとともに、社員が最大限のパフォーマンスを発揮できるよう環境を整備しています。

■キャリアデザインブック

一人ひとりのキャリアデザインをサポートすることを目的として、多彩なキャリアパスや職制、さまざまな人事制度や教育研修、福利厚生等をまとめた『キャリアデザインブック』を全社員が閲覧可能な社内ポータルサイトに掲載しています。

■大和証券グループ紹介サイト

グループ各社や、各部署の雰囲気・業務内容とともに、求められる人物像・スキルなどを可視化したサイトを掲載しています。

■自己申告制度

自身のキャリアについて上司や人事部門に伝える機会として「自己申告制度」を設けています。この制度では、上司との1on1ミーティングにより自身のキャリアビジョンや強み・課題を共有するとともに、職務のやりがいや人事制度・研修制度・職場環境等に関する意見を人事部門に伝えることができます。
2023年度には、社員一人ひとりの考え・想いやスキルレベル等をリアルタイムで可視化できる「タレントマネジメントシステム」を導入しました。社員本人と上司が1on1ミーティングの際に入力・更新した情報を、社員毎に管理し引き継ぐことができ、新たな直属上司もこの情報を基にしたキャリアビジョンの共有・育成を行っています。

■グループ内公募制度

一人ひとりが望むキャリアを実現し、意欲と能力のある社員の新たなキャリアパスをひらくため、「グループ内公募制度」を実施しています。

評価制度

すべての社員がモチベーション高く働き続けるためには、より公正で納得性の高い評価が行なわれることが重要です。大和証券グループでは、マネージャーを対象に、配下社員が評価する「多面評価」を実施しています。これは、日常の業務推進における職務行動を配下社員が評価し、その結果を本人にフィードバックすることで課題を認識し、研修プログラム等を通じてマネジメント能力の向上やグループ全体での生産性向上につなげることを目的とするものです。多面評価は、役員・部室店長・課長を含めたすべてのマネジメント層を対象に実施し評価しています。
2023年度には社員一人ひとりの考え・想いやスキルレベル、半期の目標等をリアルタイムで可視化できる「タレントマネジメントシステム」を導入しました。社員本人と上司が1on1ミーティングの際に入力・更新した情報を社員毎に引継げることで、新たな直属上司もこの情報を基にしたキャリアビジョンや目標管理の共有・育成が可能になりました。
社員の評価については、コンプライアンス面の実績も加味した総合的な評価を行なっています。また、入社年次を問わず、若手・中堅・ベテランのすべての層がより高いステージや責任の大きいポジションで頑張りたいと思えるような評価体系を目指しています。評価の考え方としては、求められる能力・役割・職責に照らし、各人の実績や貢献度、中期経営計画達成のために常に変化し成長し続けているかどうかなどが観点となります。また、育児休職中においても、それまでの実績などを正しく評価し、昇格の対象としています。