コンプライアンス

大和証券グループでは、企業理念として「信頼の構築」、「人材の重視」、「社会への貢献」、「健全な利益の確保」を掲げています。当社グループは、コンプライアンスをこれらの企業理念を実現するための重要な条件と考えており、コンプライアンスに関する取組みは単なる「法令の遵守」を超えた「お客様、市場、社会および株主からの信頼の獲得」と捉えています。

コンプライアンス態勢

大和証券グループのコンプライアンス部門は、主にコンプライアンス全般に係る企画・立案および市場のゲートキーパーとしての役割を担うコンプライアンス統括部と、営業店および本部部署のサポートにあたるコンプライアンス部があり、両部が協働してコンプライアンス態勢の構築に取り組んでいます。また、両部とも大和証券グループ本社と、子会社である大和証券を兼務しています。

当社グループでは、市場の公正性・透明性の確保、反社会的勢力との関係遮断(マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与対策含む)、情報セキュリティの3点を重点項目として、大和証券をはじめグループ各社をサポートしています。

大和証券では、コンプライアンス部が営業店における取引・勧誘の状況をモニタリングし、課題や問題点を整理し、営業店に赴き状況の確認・指導をしています。さらに、定期的な実地検査も実施しています。本部部署に対しても、直接現場に赴き、問題点の洗い出しや研修のサポート等を行なっています。また、コンプライアンス部に設置している「お客様相談センター」は、ご意見や苦情などのお客様の声を集約し、お客様満足度の向上に反映させる役割を担っています。

大和証券の強みとして、全営業店にコンプライアンス部所属の専任の内部管理責任者を配置している点が挙げられます。営業店の内部管理責任者は「コンプライアンス・マネージャー」として、営業店におけるPDCAサイクル(Plan、Do、Check、Act)の実効性向上を図るとともに、コンプライアンス部とも密に連携し、強固なコンプライアンス態勢の構築に努めています。
2020年4月1日現在、コンプライアンス部⾨は、コンプライアンス統括部、コンプライアンス部、そして各⽀店の内部管理責任者を合わせて約250名の⼈員を擁し、⼤和証券グループのコンプライアンス態勢の強化に取り組んでいます。

お客様第一の徹底

大和証券では、内部管理態勢を十分に機能させ、法令諸規則を遵守した営業活動を行なっていくことを目指し、コンプライアンス・プログラムに沿った活動を展開しています。2020年度も、前年度に引き続き「お客様第一」をキーワードとし、以下の項目を設定しています。

  1. 1.「お客様第一の業務運営」の浸透と定着 ~お客様の最善の利益の追求~
  2. 2.マネー・ローンダリング/テロ資金供与対策の強化
  3. 3.市場のゲートキーパーとしての適正な機能発揮
  4. 4.海外拠点のコンプライアンス態勢強化

投資信託を含めさまざまな金融商品を販売する大和証券では、投資家保護の観点から、お客様への勧誘の際に、誠実・公正の原則、適合性原則、自己責任の原則の遵守を徹底しています。販売後や、とりわけ相場が下がっている局面では、個々の営業員のみに対応を任せるのではなく、組織的にていねいなアフターケアをきちんと継続して行なっていく態勢を整備しています。相場に大きな変化が生じたときにも、お客様にきちんと向き合ってご説明し、お客様の信頼感、安心感を確保することが、販売会社である大和証券にとっての、お客様第一の実践であると考えており、今後も取組みを強化していきます。

当社グループのお客様確認態勢について

大和証券グループでは、金融・資本市場は社会の重要なインフラストラクチャーであると認識し、市場への信頼の維持は、自らの重要な役割だと考えています。
たとえば、日本において特に社会的要請の強い反社会的勢力の排除、また国際的にはテロリスト、マネー・ローンダリング等を行なう組織的犯罪グループ等およびそのほかの国際機関等が指定する団体・個人等による金融・資本市場の利用を防ぐことは、大和証券グループのような金融機関にとって、信頼の維持のために重要な課題です。このため、大和証券グループでは、新規および既存のお取引先確認のための態勢を整えています。

  1. 1.大和証券に新たに口座を設けるお客様を始めとするすべての新たなお取引先について、以下のような手続きを行なっています。
    1. 報道、インターネット等から入手した情報を用いて構築した独自データベースとの照合
    2. 公的機関等が提供するデータベースとの照合
    3. 国際金融情報センターが提供する海外の情報の活用
  2. 2.既存のお取引先については、定期的に懸念すべき事象の有無等を確認の上、必要に応じてさらに調査し、問題が確認された場合は、取引の停止・排除を速やかに行ないます。
  3. 3.警察、弁護士会および反社会的勢力の排除を目的とする外部団体と緊密に協働し、最新情報の入手に努めています。
  4. 4.グループ各社において、毎年、役職員に研修を行ない、反社会的勢力排除やマネー・ローンダリングおよびテロ資金供与対策の重要性の認識と最新の法令や事例に関する知識を共有しています。

特に、マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与対策については、国際的にその重要性が高まっており、リスクベース・アプローチに基づく実効性のある未然防止態勢が求められています。大和証券グループがマネー・ローンダリングやテロ資金供与に利用されることがないよう、経営の重大な課題として態勢強化に取り組んでいきます。

市場の公正性・透明性の確保

市場の公正性・透明性の確保について、大和証券グループは2つの観点で取り組んでいます。ひとつは投資家の不正取引、もうひとつは大和証券自体の不正な取引をどのようにチェックし、防ぐか、という点です。投資家サイドの不公正取引を未然に防ぐために、大和証券では日々の取引について市場に過度なインパクトを与えるような取引が行なわれていないかなど、一定の基準に抵触する取引を抽出し確認を行なっています。特にインサイダー取引については、その未然防止のために、口座開設の段階でお客様の勤め先や会社での立場などをきちんとお聞きして情報を登録しており、内部情報を知りうる立場にあるお客様から売買の注文が入った時点でチェックできるよう態勢を整備しています。また、重要情報が適時開示された時点で、当社内で行なわれた取引内容を過去に遡ってチェックするなどの対応を取っています。

社内の不正取引の防止については、上場会社における重要事実だけではなく、より広い概念である法人関係情報も同様に厳しく管理しています。
また、法人関係情報を管理するシステムを導入し、情報入手者・情報伝達先等を把握するなど、不公正取引の未然防止態勢を整備しています。

グループ会社間の利益相反取引への対応について

グループ内取引などにおいて起こりうる当社とグループ会社との間の利益相反に関しては、会社法に定める利益相反取引についての規程を取締役会同様、執行役会にも準用しています。当事者たるグループ会社の役員を兼務し、決議事項に特別の利害関係を有する執行役は決議に参加しないことを定めることで、当社とグループ会社との間の利益相反取引について適切に対応しています。

賄賂・腐敗防止の取組み

大和証券グループは、国連グローバル・コンパクトの趣旨に則り、腐敗防止に取り組んでいます。大和証券では倫理行動規範のなかに、謝礼や接待などの禁止を謳っており、2015年度から、本部部室では、接待等管理ルールの順守状況を自主点検に取り入れ、各部室が自主的に点検を行なっています。そしてその点検結果を関連部署が確認する体制としています。営業店においては、交際費が適切に利用されていることを確認するため、担当役員や関連部署が交際費の使用状況をモニタリングしています。
公務員等との接待に関しては、法律で規制されていることもあり、本部部室、営業店ともに別途管理するなど、特に厳重に対応しています。また、外国公務員等についても、接待等管理ルールにおいて利益供与の禁止を謳っています。さらにeラーニングを用いた定期的な研修等、職員の啓発活動を行なうなど、賄賂・腐敗防止の徹底を図っています。
海外拠点においても、現地の法令に則した社内規則を定め、不正な利益供与等が発生しない態勢を構築しています。

情報セキュリティ

大和証券グループでは、お客様からお預かりした個人情報を安全、かつ正確に保護するため、さまざまな情報セキュリティ対策に取り組んでいます。
近年の個人情報漏洩事例では、外部へ業務を委託した先で漏洩が起こるケースが多くなっているため、外部委託先と契約をする際および契約後も委託先の情報管理態勢を厳重にチェックするのはもちろん、委託先を直接訪問し、状況を確認する取組みも行なっています。
2015年10月からマイナンバー法(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律)が施行され、お客様よりマイナンバーをご提供いただいています。マイナンバーを含め、お客様からお預かりした情報については、物理的な隔離など、アクセス管理を徹底し厳格な管理を行なっています。いくらシステム化が進んでも、情報を取り扱うのは人であり、ミスが起きないよう、営業員に情報管理の重要性を認識してもらうための研修に注力するとともに、個人情報にアクセスできる権限を持つ社員の数も必要最小限にしています。また、当社では個人情報の社外持ち出しを原則禁止とし、業務上やむを得ず持ち出しが必要な場合は、内部管理責任者等による事前承認および記録を行なうことで厳格に管理しています。さらに、電子メールや外部記憶媒体でのデータ持出しについては、厳格に管理するとともに、不正利用がないか常時監視しています。そしてお客様から受け取る書類には、一部紙ベースのものもあり、社内で紛失するリスクを避けるため、保管専用のファイルを用意するなどの取組みを行なっています。
また、万が一情報漏洩が発生した場合には、発生部署おいて速やかに情報セキュリティ責任者と共有の上、情報管理所管部署に連絡、その後に情報セキュリティ統括責任者ほか経営へ報告するフローを構築し運用しています。

コンプライアンス意識の醸成

大和証券グループは、社員一人ひとりが常に高いコンプライアンス意識を持つことが非常に大切であると考えています。そのため、新入社員研修をはじめ、多くの社内研修にコンプライアンス関連の講義を採用しており、eラーニングでコンプライアンスに関するテストを定期的に実施しています。また、大和証券では「個人情報チェックテスト」や「コンプライアンス・ダイジェスト」を毎週月曜日にイントラネットに掲載するとともに、毎朝の社内テレビ放送では年に10回程度、コンプライアンス関連の内容を放送しています。さらに、大和証券の営業店では、支店長とコンプライアンス・マネージャー(内部管理責任者)が中心となり、それぞれの現場に則した研修や指導を日々行なっているほか、支店長を議長とする全員参加の「営業店コンプライアンス会議」を開催しています。社員全員が常に高いコンプライアンス意識を持つよう、さまざまな仕組みを用意し、繰り返し意識付けを図っています。

2020年度以降の重要項目

引き続き「お客様第一の業務運営」の浸透と定着に向けて取り組んでいくとともに、2020年度も特にマネー・ローンダリング/テロ資金供与対策を強化することを課題としています。決まったルールを守るのは当然であり、それを超えた取組みが、今後の強化のポイントだと考えています。コンプライアンスは、証券業界全体として対応しなければならない共通のテーマであり、また業界全体の信頼の問題でもあります。そのため、同業他社とも情報交換を行ない、お互いに良い方法を学びあいながら、対応を進めていきます。大和証券グループは、業界のリーディングカンパニーとして、これからもコンプライアンスの強化に努め、証券業界全体の信頼を高めることに貢献できるよう、取り組んでいきます。