2020年度 大和証券グループ経営方針
~ Passion for the Best ~
「令和」の新時代の幕開けとなった2019年度は、証券市場においては激動の1年となった。米中貿易協議の第一段階合意や、Brexitの不透明感が後退したこと等に伴い、株式市場も一時、バブル崩壊後の戻り高値に迫る回復を見せた。しかしながら、年明け以降は新型コロナウイルスの世界的な感染急拡大が、世界経済と国際金融市場を激しく揺さぶり、混乱の中で株式市場も大幅な調整を余儀なくされた。
世界がこれまで経験したことのないような危機に直面する中、多くのお客様は先行きへの不安を抱えている。この様な時こそ、117年もの長きに亘りマーケットと真摯に向き合ってきた当社グループが、これまで培ってきた経験とノウハウを最大限に活かす局面である。
資産運用や資金調達に係るお客様の不安に真正面から向き合い、まずはその対応に最善を尽くす。その上で危機の先を見据え、お客様の中長期的なライフプランの設計、企業の持続的成長の実現に向けて、徹底したコンサルティング提案に務める。またハイブリッド戦略により、お客様に対して新たな価値を提供することで、グループ収益の多様化と安定化を図り、持続的な成長を目指す。
今般の危機対応を契機として、世界的に働き方改革やデジタル化の進展が加速しており、産業構造のみならず社会全体が変貌を遂げようとしている。歴史的転換点に立つ今こそ、大和証券グループは「未来を創る、金融・資本市場のパイオニア」として、新たな価値を提供すると共に、SDGs達成に向けた共通価値創造を通じ、サステナブルで豊かな社会の実現に貢献していく。
各事業部門のアクションプラン
リテール部門
- 1.プリンシプルベースの営業体制の構築
- 2.お客様のあらゆるニーズに応える魅力的な商品・サービスの開発、ソリューション提案の高度化
- 3.外部チャネル・外部リソースを活用したビジネス展開
- 4.収益構造の転換、コスト構造の見直し
ホールセール部門
- 1.企業の高付加価値化を促進
- 2.お客様ニーズを捉えたプロダクト・サービスの提供
- 3.事業構造や日本の産業構造転換を支援
- 4.アジアのリージョナル・ブローカーとしての汎アジアビジネスサポート
アセット・マネジメント部門
- 1.既存ファンドのプロモーション強化、新ファンドの戦略的投入によるヒット商品の育成
- 2.販売会社拡大等を通じた資金純増の実現
- 3.戦略別運用チーム体制への移行、運用解析チームの新設等による運用力の強化
- 4.不動産を中心としたオルタナティブ投資商品の拡大
投資部門
- 1.新規産業の発掘・育成によるファンド・エコシステムへの貢献
- 2.アジアへの投資拡大
- 3.社会的意義のある投資対象の開拓
- 4.運用力の更なる進化による投資リターンの追求
その他(大和総研グループ)
- 1.ハイブリッド型総合証券グループのシンクタンクとして、グループ連携によるビジネス強化へ貢献
- 2.デジタル化により加速する社会の変化に対応した経済・金融における先見性の高い情報発信
- 3.お客様ビジネスの競争力強化へ貢献するソリューションの提供
- 4.先端技術の活用による「新たな価値」の創出を通じたビジネスの拡大
その他(大和ネクスト銀行)
- 1.証銀連携による顧客本位の商品・サービス展開
- 2.グループ全体の将来的な収益基盤構築に向けた仕組み作り
- 3.市場環境の変化に即応可能なポートフォリオ運営
- 4.健全な利益の確保を通じた持続的成長