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環境関連ニュース vol.10

「ポスト京都」交渉アップデート 米中欧による三極合意の可能性も 投資戦略部 物江 陽子

  • コペンハーゲン会議(第十五回気候変動枠組み条約締約国会議)まで半年を切り、次期枠組みに向けた各国提案が出揃った。6月の国連作業部会では日本政府も中期目標を発表。2020 年までに太陽光発電を20倍に、エコカーの割合を50%に引き上げる方針を明らかにし、株式市場でも関連銘柄が賑わった。これから年末に向けて交渉が本格化するなかで、各国は交渉カードとなる施策を発表し、株式市場にも影響が及ぶであろう。本稿では気候変動をめぐる交渉の最新動向を紹介し、コペンハーゲンで何が決まるのかを考察した。
  • コペンハーゲンで最大の焦点になるのは、米中の枠組みへの参加である。現状では中国は歩み寄りの姿勢を見せておらず、米国も積極的な姿勢を見せていない。しかし、この構図は変わる可能性がある。鍵を握るのは米国議会だ。
  • 米国では気候変動対策に積極的なオバマ政権が成立。6月末、議会ではキャップ&トレード法案(ワックスマン・マーキー法案)が初めて本会議を通過した。国連の交渉プロセスで米国が積極的な動きを見せていないのは、議会の意向が見えないと動けない背景がある。同法が議会を通過すれば、米国は次期枠組みをリードすべく舵を切るであろう。
  • 一方の中国にとって、次期枠組みは先進国からの資金援助・技術移転を呼び込みうる、魅力的な交渉ツールである。削減コストの負担は避けたいが、資金と技術は呼び込みたい、というのが本音だろう。これは裏を返せば、先進国が一定の資金援助・技術移転を約束すれば、中国はそれなりの削減行動を呑むということでもある。実際、中国はその可能性を視野に入れて準備を進めているように見える。
  • こうした中国の動向を見ながら、このところ米国は中国への働きかけを強めている。6月の国連作業部会会期中にも米国代表団は会議を一時抜けて北京に向かい、気候変動に関する閣僚級対話を実施している。中国側はまだ明確な姿勢を示していないが、ワックスマン・マーキー法が成立すれば、中国のスタンスも変わる可能性がある。まず注目したいのは米国議会の動きである。
  • コペンハーゲンでは、これまでのEU 主導の交渉プロセスが大きく変わるかもしれない。こうした点に留意しながら、引き続き次期枠組みの行方に注目したい。

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