人材育成とスキルアップ

考え方・方針

大和証券グループの競争力の源泉は「人材」です。当社グループが変革を続けて持続的に成長していくためには、それを担う人材が必要不可欠であり、「人材(人的資源)」に投資をしていくことによりその価値を高め、「人財(人的資本)」力を企業の成長につなげることを目指しています。

ビジネス環境の急速な変化に伴って、必要とされる人財の定義も拡がっています。多様なスキル・経験をもった人財プールを拡大していくためには、全社員がキャリアオーナーシップを持ち、自分に求められるものが何なのかを考え、必要なスキルを身に着けることが重要であり、様々な研修プログラムを用意し、社員の自立的なスキルアップをサポートしています。

教育・研修制度

大和証券グループにおける教育体系

今の業務に必要な要素を身に着けるため、業務として明確に位置付けて取り組む「必須プログラム」と、自身の将来のために必要な要素を身に着ける「選択型プログラム」を提供しており、社員一人ひとりの自発的なキャリア形成の実現を後押ししています。現場部署と人事部門が協働し、部門ごとのニーズに沿った研修プログラムを提供しており、より実践的なスキルを身に着けることが可能です。また、デジタル技術を活用し当社のビジネスを変革できる人材を育成する「デジタルITマスター認定制度」、全社員のITスキル向上を図る「Daiwa Digital College」を新設するなど、デジタルIT人材の育成にも取り組んでいます。

2022年度の研修実績

スキル研修実施回数 9講座・18回実施
参加者数 7,758名
一人あたりの教育とキャリア開発の平均時間(2022年度) 37.3時間
教育投資にかかわる費用 21.8億円
社員1人あたりの費用 17.3万円

若手研修(1~2年目:ダイワベーシックプログラム、3~5年目:Q-Road)

本部ごとに入社5年後の目指す人物像と、そのために必要なスキル項目および水準を定め、インプットとアウトプットを交えた5年間の教育プログラムを実施しています。プログラム内容は、ビジネス戦略にあわせて適宜各本部と協働し見直しを行っています。また、社会人としてスタートを切る入社時の新入社員教育が最重要と位置づけ、当社グループの社員として求められる高い倫理観やプロフェッショナルとしてのマインド醸成から、各現場で早期に戦力となるための専門教育に至るまで、プログラムを充実させています。

スキル研修

社員自身が強化したいと考えるスキルの向上を目的に、全社員を対象にした希望制のスキル研修を実施しています。自身の都合に合わせて受講できるeラーニング、講師と双方向で学ぶことができるオンライン講義を用意し、社員の自己研鑽意欲により応えることができる体制を整備しています。例えば、現役の税理士による「相続・事業承継マスター」という講座では、法律や制度の基礎知識を学んだうえで、ケーススタディを通じてアウトプットを行なうことで実践的なスキル習得を目指します。受講者からはお客様の課題・ニーズの把握やそれを解決するソリューションの提供に大いに役立ったとの声が多数あり、クオリティの高いソリューションビジネスを実行するためのスキル・専門知識の習得につながっています。

次世代リーダー育成

大和リーダーシップ・プログラムという、次世代リーダー育成のための研修を約2か月半にわたり実施しています。外部教育機関と連携して構築した、一流の社外講師陣によるMBAスタイルのプログラムとなっており、講師及び他の受講者との討議を通じて経営理論を体系立てて学び、実践的な知識・ノウハウを習得します。さらに研修の最後には当社経営陣へのプレゼンテーションを行い、学びをアウトプットします。また、グループ各社から選出された受講者が集まるため、グループ横断のネットワークを構築する良い機会ともなっています。

資格取得支援

証券ビジネスと関連性の高いCFP®や証券アナリストについては、サステナビリティKPIとして2023年度までに合計取得者数3,000名を目標に推進を行い、2022年度末に目標を達成しました。特に、当社が進める「資産管理型ビジネス」と非常に親和性が高い、世界が認めるプロフェッショナルFPの証であるCFP®は、国内企業・団体で初めて1,000名を突破し、金融機関では圧倒的にNo.1の認定者数となっています。その他にも、社員が高い専門性を習得し、それぞれの業務に活かすため、IT・語学・士業関連など、約100種類以上の様々な資格取得を支援しています。

主な資格取得者数(2023年3月末)

CFP®取得者数 1,469名
証券アナリスト®取得者数 1,550名

自律的なキャリア形成に向けた取組み

当社グループでは、目の前の業務に真摯に取組みつつ、次のあるべき姿を捉えて自走するマインドを持った社員を育成すべく、自律的なキャリア形成を後押しするとともに、社員が最大限のパフォーマンスを発揮できるよう環境を整備しています。

■キャリアデザインブック

一人ひとりのキャリアデザインをサポートすることを目的として、多彩なキャリアパスや職制、さまざまな人事制度や教育研修、福利厚生等をまとめた『キャリアデザインブック』を全社員が閲覧可能な社内ポータルサイトに掲載しています。

■大和証券グループ紹介サイト

グループ各社や、各部署の雰囲気・業務内容とともに、求められる人物像・スキルなどを可視化したサイトを掲載しています。

■自己申告制度

年に2回、自身のキャリアについて上司や人事部門に伝える機会として「自己申告制度」を設けています。この制度では、上司との1on1ミーティングにより自身のキャリアビジョンや強み・課題を共有するとともに、職務のやりがいや人事制度・研修制度・職場環境等に関する意見を人事部門に伝えることができます。

■グループ内公募制度

一人ひとりが望むキャリアを実現し、意欲と能力のある社員の新たなキャリアパスをひらくため、「グループ内公募制度」を実施しています。

評価制度

すべての社員がモチベーション高く働き続けるためには、より公正で納得性の高い評価が行なわれることが重要です。大和証券グループでは、マネージャーを対象に、配下社員が評価する「多面評価」を実施しています。これは、日常の業務推進における職務行動を配下社員が評価し、その結果を本人にフィードバックすることで課題を認識し、研修プログラム等を通じてマネジメント能力の向上やグループ全体での生産性向上につなげることを目的とするものです。多面評価は、役員・部室店長・課長を含めたすべてのマネジメント層を対象に実施しています。
社員の評価については、コンプライアンス面の実績も加味した総合的な評価を行なっています。また、入社年次を問わず、若手・中堅・ベテランのすべての層がより高いステージや責任の大きいポジションで頑張りたいと思えるような評価体系を目指しています。評価の考え方としては、求められる能力・役割・職責に照らし、各人の実績や貢献度、中期経営計画達成のために常に変化し成長し続けているかどうかなどが観点となります。また、育児休職中においても、それまでの実績などを正しく評価し、昇格の対象としています。