未来社会創造への支援
大和証券グループは、創業以来大切にしてきた証券ビジネスをコアとしながらも、社会課題解決型の成長への投資として、当社グループが培ってきたさまざまな証券・金融ビジネスのノウハウを活かしたビシネスを、FinTech、ヘルスケア、エネルギー・インフラ、農業などの多様な分野でスタートさせました。
サステナビリティを起点としたビジネス展開
Fintertech株式会社
次世代金融サービスの創出
2018年4月に設立したFintertechでは、最先端のテクノロジーの活用や外部企業との連携により次世代金融サービスを創出することを目指しています。
2020年3月のデジタルアセット担保ローンを皮切りに、2021年4月には不動産投資ローン、およびクラウド型投げ銭システムの提供を、そして2021年11月からは貸付型クラウドファンディングを開始しました。今後もお客様の多様なニーズに対応するため、新たな金融サービスを開発していきます。
大和エナジー・インフラ株式会社
エネルギーへの投融資推進
大和エナジー・インフラは、大和PIパートナーズのエネルギー投資部門を前身として発足し、2018年10月1日より営業を開始しています。
再生可能エネルギー、インフラストラクチャーおよび資源分野への投融資を通じて、ハイブリッド型総合証券グループの一員として「新たな価値」の提供とSDGsへの貢献を目指します。
再生可能エネルギー発電プロジェクト
大和エナジー・インフラでは、大和証券グループのネットワークを活用し、再生可能エネルギー発電プロジェクトの開発・事業投資に積極的に取り組んでいます。太陽光発電分野では、2022年5月現在、保有し完工済みの12件すべてが安定稼働しており、建設中の岐阜県高山市太陽光発電所(30.8MW)は2022年、栃木県栃木市太陽光発電所(51MW)は2024年に完工予定です。
バイオマス発電分野では、資本業務提携先であるグリーン・サーマル株式会社とともに、国内の未利用材を主な燃料とする木質バイオマス発電所の開発を順次進めています。2018年1月より山形県米沢市において提携事業1号案件となる発電所の商業運転を開始させ、2号案件として和歌山県上富田町の発電所は2020年6月に商業運転を開始しました。3号案件として建設中の山梨県甲斐市の発電所は2023年に完工予定です。
大和エナジー・インフラが開発・投資を行なった発電所
太陽光発電所 | バイオマス発電所 | |
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出力 |
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合計 | 約342MW | 約20MW |
年間想定発電電力量 | 約114,000世帯分に相当
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約25,000世帯分に相当 |
木質バイオマス発電分野への取組み
大和エナジー・インフラは、木質バイオマス発電所の開発・運営にかかわるリーディングカンパニーであるグリーン・サーマル株式会社およびバイオマス燃料供給業者であるバイオマス・フューエル株式会社と資本業務提携し、発電所建設のみならず、バイオマス分野におけるバリューチェーンの拡大を積極的に推進しています。
また、バイオマス・フューエル株式会社とともに、主に東南アジアにおいてバイオマス発電の燃料となるPKS(パーム椰子殻)の調達拡充や木質ペレットの製造工場の開発における協働を進めており、現在、ベトナムにおいて新たなペレット工場の建設に向けて準備を進めています。
木質バイオマス発電は、二酸化炭素の増減に影響を与えないカーボンニュートラルな発電設備であることに加え、放置・廃棄されてきた林地残材やPKSに燃料としての新たな価値を付加するため、新たな産業・雇用等の創出が期待され、国内の地方経済のみならず開発途上国の産業振興にも貢献することが見込まれます。
大和ACA事業承継ファンド
事業承継を通じた社会の持続的発展への貢献
オーナーが引退期を迎える中堅中小企業のうち約半数が後継者不足といわれており、雇用やGDPの観点からみても事業承継問題は日本が抱える喫緊の社会課題です。
大和ACA事業承継ファンドは、オーナーにかわり企業の新たなスポンサーになることで事業承継問題に対する解決策のひとつをご提示します。
新たな企業パートナーとして、中堅中小企業が持つ優れた技術・サービスを次世代に承継するとともに、事業継続により連続性を持った技術・サービスの革新を促し、わが国の持続可能な経済発展に貢献していきます。
大和フード&アグリ株式会社
サステナブルな農業生産事業の推進
日本の農業ビジネスは、農業従事者の高齢化と就農者数の減少、後継者不足、さらに耕作放棄地の増加等、さまざまな社会課題を有しています。2018年11月に設立された大和フード&アグリは、リスクマネーの提供を通じて、農業生産ビジネスの大規模化・高効率化、新たな事業の取組みなど、日本の農業や食に関するビジネスが抱えるさまざまな課題解決に貢献していきます。
大規模園芸施設による農業生産の取組み
大分県玖珠町での大規模トマト栽培に続き、新たな農業生産ビジネスとして2021年10月にパプリカの生産・販売ビジネスに参入しました。最先端の環境制御型ハウスで農業に取り組むことで国内有数のパプリカ生産拠点となっています。
今後も大規模園芸施設を利用した栽培およびその運営ノウハウを活かし、大和フード&アグリでは農業生産における大規模化や効率化を追求することで、国内外の食料安定供給、地方経済の活性化に貢献するビジネスに取り組んでいきます。


大和ACAヘルスケア株式会社
ヘルスケア分野における持続可能な資金循環の創出
医療・介護需要の急拡大、医療費削減の必要性など、ヘルスケア分野には社会的な課題が山積みされています。当社グループでは、医療・介護事業に特化した投融資ノウハウを持つ大和ACAヘルスケアを通じ、国内外で病院・介護事業資金の提供や医療法人の承継・経営支援を行なうことで、同分野における社会課題解決を目指しています。
グッドタイムリビング株式会社
超高齢社会の日本において「高齢化」は対処すべき重要な社会課題です。優秀な介護人材の確保が求められるなか、グッドタイムリビングではネットワーク通信を活用した省力化により、スタッフが専門性を発揮する環境を整えています。
質の高い介護サービスの提供
グッドタイムリビングではネットワーク通信を利用し情報や知識を共有することで、コミュニケーションを重要視したサービスの質向上および、間接業務の省力化に取り組んでいます。ご入居者の健康や生活に関する記録は、従来の紙からモバイル端末に変更しタイムリーに入力。情報を多職種で連携することで省力化だけでなく、環境整備やケア内容の見直しなど、お一人おひとりに合わせたサービス提供にも役立てています。また現在は、ビジネスチャットツール「LINE WORKS」の導入を進め、スタッフ間のさらなるコミュニケーション強化を図っています。
同社は一層進む高齢化の中で、介護サービスのあり方を転換すべく、介護現場のさらなる業務効率化とスタッフが専門性を発揮できる環境整備を通じて、SDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」、目標8「働きがいも経済成長も」の達成に貢献していきます。
ICT活用具体例

「Care-wing 介護の翼 施設版」は、メーカーとの共同開発により、従来の訪問介護記録機能に加えて、スタッフの稼働表のデジタル化を実現。用紙での管理に比べ、手間なく作成・変更を行なうことができ、業務効率化につながっています。
スタッフの声
- 稼働表作成、スケジュール作成・変更時に時間が短縮できます。
- タブレットで各自稼働表が確認できるので、誰がどこにいるか把握でき、動きやすくなりました。

介護記録システム「CARE KARTE」には、従来は介護スタッフが手書きしていた、ご入居者の健康や生活に関するデータを入力。体温や血圧といったバイタルデータの経過グラフが自動作成されるほか、記録の検索性も向上し、介護現場のペーパーレス化、省力化を実現しました。
スタッフの声
- ほかのスタッフのケアを見る機会が少ない中で、良いケアのポイントを、記録を見て知ることができました。
- 記録にかかる時間が短縮され、ご入居者と会話をする時間が増えました。

同社が蓄積したノウハウをメーカーに提供し、精度の高い見守り機能を備えた生体モニターを共同で開発。居室内事故の防止・早期発見だけでなく、赤外線センサーを採用したことでプライバシーに配慮しながら生活を可視化できるため、環境整備やケアの内容などお一人おひとりに合わせたサービス提供にも役立っています。
スタッフの声
- 事故原因が明確になり、対策をより効果的に立てることができます。
- 行動パターンが把握できることで、対応や環境を変えることができます。
- ※使用イメージを動画でご覧いただけます
https://youtu.be/lsK0h8mU9vM

移乗サポートで腰痛を軽減しスタッフの安全・健康を守ると同時に、ご入居者とスタッフがコミュニケーションを取りながら安楽な姿勢での移乗介助が可能となり、ご入居者の心身両面での負担緩和につながっています。
ご入居者、スタッフの声
- 人に重たい思いをさせて持ち上げられるより、気持ちが楽です(ご入居者)
- スタッフの顔が見えることで、ご入居者が安心されているように感じます(介護スタッフ)
- ※使用イメージを動画でご覧いただけます
https://youtu.be/y23aX4RSLQE

サーモカメラの前に立つと、体温と登録者名を表示
※マスク着用でも識別が可能
顔認証AIを搭載したサーモカメラを風除室に設置し、入館者の「体温測定」と「顔認証登録・未登録の識別」を実施した上で、自動ドアの開閉制御を行ないます。あわせて、室内にも同仕様のサーモカメラを設置し、身体の状態により一人での外出が難しいご入居者の単独外出を抑制します。

情報提供の円滑化とご利用者の利便性向上を推進するため本ポータルサイトを開設。「請求情報」「領収情報」のほか、従来は館内掲示および個別配布・郵送を行なっていた各種お知らせや危機管理情報をタイムリーに配信できるようになりました。1拠点(80室規模の場合)月当り平均400時間の事務作業の削減が見込まれるとともに、現場作業の効率化により質の高い介護サービスの維持・向上が可能となります。
大和企業投資株式会社
次世代産業・サービスの創出
大和証券グループのベンチャーキャピタルである大和企業投資は、ベンチャー企業への投資を通じて社会課題の解決を進め、サステナブルな社会の実現に貢献しています。
大和企業投資はベンチャー企業に投資するベンチャーファンドを複数運営しています。この中には、バイオテクノロジーに特化したファンド、中国の環境企業と共同で運用する環境ファンドなど、SDGsとの関連性が非常に強いファンドがあります。
他のファンドにおいても、投資先の選定、投資後の経営サポートなどにおいて、SDGsの視点を意識して投資活動を行なっています。特に近年は社会課題解決を強く意識した起業家が増えていることもあり、大和企業投資の活動は年々SDGsとの関連性を強化しています。
社会課題解決型ベンチャーへの投資
大和企業投資は、多くのベンチャー企業に投資しています。その中には下記のように、SDGsに関連する企業も数多く含まれています。
- GITAI Japan(DVGF※1 2021/2投資):宇宙空間で活躍するロボットの開発
- Green Earth Institute(製造業・東京都F※2 2014/9投資):非可食バイオマスを原料とするバイオ燃料、グリーン化学品などの製造ライセンス
- Craif(DVGF 2020/1投資):尿に含まれるエクソソームに存在するマイクロRNAから癌を早期発見
- AIメディカルサービス(DVGF 2019/9出資):内視鏡画像を解析支援するAIの開発
- カルディオインテリジェンス(DVGF 2021/2出資):心電図のデータをもとに心房細動を早期に発見する「AI診断支援システム」開発
- プラントフォーム(DVGF 2018/9出資):水耕栽培と魚類養殖を組み合わせたアクアポニックス農法の設備運営、導入支援
- 京都フュージョニアリング(DVGF 2021/8出資):核融合炉に関する装置の研究開発・設計・製造、装置・コンポーネントの輸出
- アスター(復興ファンド※3 2017/12出資):脱炭素社会に資する高効率モーターの開発製造
- ※1 新産業の創出、経済活性化の好循環の一端を担うスタートアップへの投資を行なうベンチャーファンド(投資組入中)
- ※2 我が国のオープンイノベーションを伴った産業構造の変革や、製造業におけるイノベーションの創出と活性化の一助を担うことを目的としたベンチャーファンド(投資組入完了)
- ※3 東日本大震災からの復興・復旧および新産業創出を目的とした、東北地方を対象とするベンチャーファンド(投資組入完了)
中節能環境ファンド
2020年10月、大和企業投資は、中国の中央国有企業として唯一の環境専門企業である中節能集団と共同で、中国の環境関連企業へ投資するファンドを湖北省武漢市に設立しました。当ファンドは、SDGsへの貢献を目指すとともに、中国政府が掲げる長江保護政策の理念にもとづいて投資事業を展開しています。2021年には湖北省政府からの出資も受け、現在のファンド運用総額は約48.6億円に達しています(2022年5月末)。中国の省エネ・環境・循環型経済・新エネルギー・新材料・設備製造等の分野の優良企業(未上場)を主な投資対象としており、これまでに、地下排水管の検査・修繕を手掛ける企業(湖北省武漢市)や、鉄鋼の圧延加工などで生じる廃酸の処理と鉄資源のリサイクルを行なう企業(広東省恵州市)へ投資しています。これらの企業への投資活動を通じて、SDGsの17のゴールのうち、目標6「安全な水とトイレを世界中に」、目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」などへの具体的な寄与を目指しています。
DCIパートナーズにおける創薬ベンチャーなどへの投資
DCIパートナーズは、NIF(現 大和企業投資)時代を通じ、20年以上バイオ分野への投資を行なうベンチャーキャピタルです。現在、バイオベンチャー特化型ファンドとしては国内最大級のファンドを2本運用しており、日本と台湾で投資を行なっています。既存のバイオベンチャー投資に加え、製薬会社やアカデミアに多数存在する有望な医薬候補品まで投資対象を拡大し、ファンド主導で会社を設立し、創薬ビジネスを推進することもあります。人材やノウハウ、ファンドの資金力を活かし、ファンドを通じて、経営資源を投入し、戦略立案から実行に至るまで、ハンズオンを超える開発促進に尽力しています。近年の新薬の大半はバイオベンチャーが開発しており、今般のパンデミックにおいていち早くワクチン開発に成功したのもバイオベンチャーでした。その開発スピードや刷新的な技術力から、バイオベンチャーがかつてないほど注目され、社会的意義や役割が期待されています。投資活動を通じてこれらの企業を支援し、産業と技術革新の基盤づくり、すべての人の健康ならびに社会に貢献できるよう努めます。
日台バイオファンド
DCIパートナーズは、日本と台湾の創薬分野を中心としたバイオベンチャーへ投資を行なうベンチャーキャピタルです。日本最大級のバイオベンチャー特化型投資ファンドを運用しています。2015年1月に設立した総額116億円の1号ファンドに続き、2020年12月には後継となる2号ファンドを140億円で設立し、145億円まで拡大しています。
東日本大震災中小企業復興支援ファンド
大和企業投資では、独立行政法人中小企業基盤整備機構、青森銀行、岩手銀行、七十七銀行および東邦銀行などからの出資を受け、「東日本大震災中小企業復興支援投資事業有限責任組合」を運営しています。この投資ファンドは、被災地域の未上場企業に対する機動的なリスクマネーの供給を通じて、被災からの復旧・復興、新事業展開、転業、事業の再編、継承、または起業によって新たな成長・発展を目指す企業を積極的に支援することにより、より早期の被災地域の復興と持続的発展に貢献することを目的としています。