未来社会創造への支援

大和証券グループは、創業以来大切にしてきた証券ビジネスをコアとしながらも、社会的課題解決型の成長への投資として、当社グループが培ってきたさまざまな証券・金融ビジネスのノウハウを活かしたビシネスを、FinTech、ヘルスケア、エネルギー・インフラ、農業などの多様な分野でスタートさせました。

SDGsを起点としたビジネス展開

SDGs×テクノロジー

次世代金融サービスの創出

2018年4月に設立したFintertechでは、主にデジタルネイティブ世代に向け、ブロックチェーン技術をはじめとする最先端のテクノロジーを活用した、「次世代金融サービスの創出」を進めています。
2020年3月よりデジタルアセット担保ローンを開始しており、今後は、クラウド型投げ銭システムの提供やクラウドファンディング事業など、お客様の多様なニーズに対応するための新たな金融サービスを開発していきます。

エネルギーへの投融資推進

大和エナジー・インフラは、大和PIパートナーズのエネルギー投資部門を前身として発足し、2018年10月1日より営業を開始しています。
再生可能エネルギー、インフラストラクチャーおよび資源分野への投融資を通じて、ハイブリッド型総合証券グループの一員として「新たな価値」の提供とSDGsへの貢献を目指します。

再生可能エネルギー発電プロジェクト

大和エナジー・インフラでは、大和証券グループのネットワークを活用し、再生可能エネルギー発電プロジェクトの開発・事業投資に積極的に取り組んでいます。2020年5月末現在、これまで開発・投資を行なってきた太陽光発電所16件のうち、現在保有し完工済みの10件すべてが安定稼働しており、建設中の鹿児島県南九州市太陽光発電所 (11MW)は2020年夏までに、北海道白老町太陽光発電所(35MW)は2020年内に、茨城県那珂市太陽光発電所(35MW)は2021年中に完工予定です。
バイオマス発電分野では、資本業務提携先であるグリーン・サーマル株式会社とともに、国内の未利用材を主な燃料とする木質バイオマス発電所の開発を順次進めています。2018年1月より山形県米沢市において提携事業1号案件となる発電所の商業運転を開始させ、2号案件として和歌山県上富田町の発電所は2020年6月に商業運転を開始しました。

大和エナジー・インフラが開発・投資を行なった発電所

太陽光発電所

  • 出力:合計 約213MW
    うち、稼働中:約132MW(10件合計)
    うち、建設中:約81MW(3件合計)
  • 稼働中発電所の年間想定発電電力量:約44,000世帯分に相当

バイオマス発電所

  • 出力:合計 約13MW
    うち、稼働中:約13MW(2件合計)
  • 年間想定発電電力量:約20,000世帯分に相当

木質バイオマス発電分野への取組み

大和エナジー・インフラは、木質バイオマス発電所の開発・運営にかかわるリーディングカンパニーであるグリーン・サーマル株式会社およびバイオマス燃料供給業者であるバイオマス・フューエル株式会社と資本業務提携し、発電所建設のみならず、バイオマス分野におけるバリューチェーンの拡大を積極的に推進しています。
また、バイオマス・フューエル株式会社と共に、主に東南アジアにおいてバイオマス発電の燃料となるPKS(パーム椰子殻)の調達拡充や木質ペレットの製造工場の開発における協働を進めており、現在、ベトナムにおいて建設したペレット工場の商業運転に向けて準備を進めています。
木質バイオマス発電は、二酸化炭素の増減に影響を与えないカーボンニュートラルな発電設備であることに加え、放置・廃棄されてきた林地残材やPKSに燃料としての新たな価値を付加するため、新たな産業・雇用等の創出が期待され、国内の地方経済のみならず開発途上国の産業振興にも貢献することが見込まれます。

SDGs×地方

事業承継分野でのソリューション提供の拡大

日本の中小企業の約半数が後継者不在になると言われており、事業承継は大きな社会課題のひとつです。
2018年10月に設立した大和ACA事業承継ファンドは、中小企業が持つ優れた技術・サービスを次世代に承継し、事業継続により連続性を持った技術・サービスの革新を促すものです。
当社グループは本ファンドを通じて、日本の持続可能な経済発展を推進していきます。

サステナブルな農業生産事業の推進

日本の農業セクターを取り巻く農業従事者の高齢化、後継者不足問題の解決に向け、ICT 技術を活用するなどした新しい農業ビジネスが注目を集めています。
2018年11月、大和証券グループはリスクマネーを提供することにより新しい技術を積極的に導入し、農業と食に関するビジネスの規模拡大や効率化推進を支援することなどを目指し、大和フード&アグリを設立しました。
大和フード&アグリでは、2019年春、熊本県においてベビーリーフ生産設備を取得したことを皮切りに、農業生産ビジネスに参入しました。さらに、2020年春には、山形県川西町、大分県玖珠町それぞれの地域で大規模栽培ハウスにてトマトを生産、販売する農業法人に相次いで資本参加し、大規模園芸設備を利用した栽培およびその運営ノウハウを活かし、自ら農業生産ビジネスを手掛けています。
今後も、大和フード&アグリでは農業生産における大規模化や効率化を追求することで、日本国が解決に向けて取り組むべき社会課題の一つである農業の活性化に貢献し、SDGsの目標2「飢餓をゼロに」、目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」を実践していきます。

SDGs×ライフ

ヘルスケア領域を積極支援

医療・介護需要の急拡大、医療費削減の必要性など、ヘルスケア分野には社会的な課題が山積みされています。当社グループでは、医療・介護事業に特化した投融資ノウハウを持つ大和ACAヘルスケアを通じ、国内外で病院・介護事業資金の提供や医療法人の承継・経営支援を行なうことで、同分野における社会課題解決を目指しています。

質の高い介護サービスの提供

今後も高齢人口増加が推測される日本において、良質な介護サービスの提供は喫緊の課題です。グッドタイムリビングでは従来より、不自由を介助する一律の介護ではなく、ご入居者の自立を支援する、その人をよくする介護に取り組んできました。また、業界でいち早くICT機器やテクノロジーを採用。2019年には全32施設へモバイル端末の導入が完了し、身体介助以外の業務を効率化することで生産性の向上に繋がっています。当社は一層進む高齢化の中で、介護サービスのあり方を転換すべく、介護スタッフがより高い専門性を発揮できる環境整備や海外人材の採用を推進し、SDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」、目標8「働きがいも経済成長も」の達成に貢献していきます。

IT活用具体例

介護記録システム「Care-wing介護の翼 施設版」
介護記録システム「Care-wing介護の翼 施設版」

「Care-wing 介護の翼 施設版」は、メーカーと共同開発したもので、スタッフの稼働表をデジタル化。従来の紙での管理に比べ、手間なく変更・修正を行なうことができ、残業時間の短縮に繋がっています。

スタッフが携行するモバイル端末で、ご入居者のデータを管理
スタッフが携行するモバイル端末で、ご入居者のデータを管理

また「Care-wing」上で管理する訪問介護記録は、自動的に介護記録システム「CARE KARTE」へ取り込まれ、ご入居者の健康や生活に関するデータを一元管理することで、介護現場のペーパーレス化、省力化を実現しました。

次世代予測型見守りシステム「Neos+care ®(ネオスケア)」
次世代予測型見守りシステム「Neos+care®(ネオスケア)」

当社が蓄積したノウハウをメーカーに提供し、精度の高い見守り機能を備えた生体モニターを共同で開発。居室内事故の防止・早期発見だけでなく、赤外線センサーを採用したことでプライバシーに配慮しながら生活を可視化できるため、環境整備やケアの内容などお一人おひとりに合わせたサービス提供にも役立っています。

壁収納型介護リフト つるべーSセット「Swing Lift CoCoRo」
壁収納型介護リフト つるべーSセット「Swing Lift CoCoRo」

移乗サポートで腰痛を軽減しスタッフの安全・健康を守ると同時に、ゲストとスタッフがコミュニケーションを取りながら安楽な姿勢での移乗介助が可能となり、ゲストの心身両面での負担緩和につながっています。

人工知能(AI)搭載型ロボット「Aeolus robot」
人工知能(AI)搭載型ロボット「Aeolus robot」

介護現場での活用について現在検証中。単純作業をロボットが担うことで、介護スタッフがより付加価値の高い「人の手による介護」に注力できる環境整備を推進します。

REITによる投資活動を介した地域社会への貢献

大和リアル・エステート・アセット・マネジメントでは、運用を受託している投資法人やファンドを通じて、社会的課題に対する取組みを進めることで地域社会への貢献を果たしています。

新型コロナウイルス感染症への取組み

同社は、新型コロナウイルス感染症への取組みとして、大和証券グループ本社と連携し、株式会社JHATが運営するホテルで実施している「医療関係従事者等への客室支援プラン」の宿泊費に充当するために、500万円を寄付しました。また、同社で運用する「大和証券ホテル・プライベート投資法人」が保有する羽田空港近隣ホテルにおいて、帰国後の一時待機施設として海外からの帰国者を受け入れています。

震災対策の取組み

「大和証券オフィス投資法人」が保有するオフィス物件のエレベーター内への防災キャビネット設置や、「大和証券リビング投資法人(以下、DLI)」・「大和証券レジデンシャル・プライベート投資法人」が保有する賃貸住宅への災害対応型の自動販売機設置などにより、ビル利用者や地域住民のための震災対策を進めています。

高齢化対策の取組み

同社運用部門の社員が、DLIが保有する全国のヘルスケア施設を年に数回訪問し、交流イベント(家族懇親会、敬老会等)への参加や日常作業の手伝い(外周の清掃、中庭植栽の剪定、草むしり等)、従業員体験研修への参加などを通じて、現場業務の理解を深めることに努めています。施設オペレーターの日々の作業、居住者に提供されているサービスを、より深く理解するために始めた取組みですが、今では主要業務を通じた地域社会貢献の活動と位置付けられるようになり、今後も積極的に取り組んでいきたいと考えています。

DCIパートナーズにおける創薬ベンチャーなどへの投資

DCIパートナーズは、NIF(現 大和企業投資)時代を通じ、20年以上バイオ分野への投資を行なっています。現在、創薬に特化した国内最大級のファンドを運営し、日本と台湾でバイオベンチャー投資を行なっています。ファンドを通じて、経営資源を投入し、戦略立案から実行にいたるまで、ハンズオンにて開発促進に尽力しています。新型コロナウイルスが猛威を振るうなか、バイオベンチャーによる新型コロナ対策が始まり、当ファンドの投資先においても、治療薬やワクチンの開発に着手し2020年中の治験開始を予定している投資先や、販売承認申請中の投資先などがあります。パンデミック対策においてはスピードや刷新的な技術力が必要なことから、バイオベンチャーがこれまで以上に注目され、社会的役割を担っていくものと期待されています。投資活動を通じてこれらの企業を支援し、患者さんへ治療の選択肢を提供するべく活動し、すべての人の健康ならびに社会に貢献できるよう努めます。

Financial Inclusion(金融包摂)の世界実現に向けて

新しい証券会社「CONNECT」がサービス開始

新しい証券会社「CONNECT」がサービス開始

証券会社の一般的なイメージである、富裕層が対象で難しい金融知識が必要そう、といったいわゆる敷居が高いという姿は、スマートフォンなどの技術革新によって崩れつつあります。すべての人が手のひらに高機能デジタルデバイスを持つ今の世の中において、いかに金融包摂を意識してすべての人に届き得る証券サービスを生み出すかは、大和証券グループだけでなく証券業界の課題であると認識しています。
2020年7月よりサービスを開始したCONNECTは大和証券グループが生み出す新しい証券会社の形として、1株単位の取引を主体に、主にデジタルネイティブ世代に向けたサービスを展開しています。口座開設や証券取引などのすべてのサービスは、スマートフォンで提供・完結し、スマートフォンさえあれば、どなたでも少額から証券サービスを利用することが可能です。
CONNECTは“未来をつくる、1株と出会おう。”をコンセプトに掲げ、今後もすべての人が、より良い金融サービスにアクセスできるよう、サービスの開発・提供を進めていきます。

東日本大震災からの復興支援

東日本大震災中小企業復興支援ファンド

大和企業投資では、独立行政法人中小企業基盤整備機構、青森銀行、岩手銀行、七十七銀行および東邦銀行などからの出資を受け、「東日本大震災中小企業復興支援投資事業有限責任組合」を運営しています。この投資ファンドは、被災地域の未上場企業に対する機動的なリスクマネーの供給を通じて、被災からの復旧・復興、新事業展開、転業、事業の再編、継承、または起業によって新たな成長・発展を目指す企業を積極的に支援することにより、より早期の被災地域の復興と持続的発展に貢献することを目的としています。

「新しい東北」復興ビジネスコンテスト2019への協賛

復興ビジネスコンテストは、東日本大震災の被災地復興につながるビジネスプランを表彰・支援するもので、当社グループは2016 年度より協賛しています。大賞・優秀賞のほか、企業賞のひとつとして「大和証券グループ・フェニックス賞」が設けられており、2019年度は、安全・安心な除雪機システムの開発を目指す株式会社フェニックス(岩手県盛岡市)が受賞しました。
人口減少による人手不足や過疎化による高齢化に悩む被災地域にとって、豪雪に伴う日々の除雪は極めて深刻な問題です。高齢者や女性でも安全・安心に、しかも簡単に除雪できる本システムの開発は、被災地の冬の生活の質向上や雇用創出につながると考えられることから、大和証券グループではこの取組みを応援したいと考えています。
これからも東北地域の復興に貢献できるよう、こうした活動を積極的に行なっていきます。

復興庁、協賛団体、受賞者による記念撮影(「新しい東北」復興ビジネスコンテスト2019)
復興庁、協賛団体、受賞者による記念撮影
(「新しい東北」復興ビジネスコンテスト2019)
レゼンターの大和企業投資・栁原社長(当時・左)と受賞者(「新しい東北」復興ビジネスコンテスト2019)
プレゼンターの大和企業投資・栁原社長(当時・左)と受賞者
(「新しい東北」復興ビジネスコンテスト2019)

次世代を担う人材の育成支援

「始動2018」、「始動2019」を通じた次世代イノベーションの担い手育成支援

大和総研は、経済産業省から「始動Next Innovator 2018」の事務局を株式会社WiLと共同受託しました。本事業は、「Thinker(考える人)からDoer(行動する人)へ」をテーマに、イノベーションの創出に挑戦する人材や大企業で新事業に挑戦する人材等を広く募集・選抜し、講演や講義・ワークショップ、メンタリング、米国シリコンバレーの投資家や起業家との交流を通じて、グローバルに通用する次世代のイノベーションの担い手を育成することを目的としています。
本事業は2015年度から開始され、2019年度で5年目となります。公募・選定期間2ヵ月とプログラム実施期間8ヵ月の、合わせて10ヵ月にわたる事業で、2018年度は、2018年5月から6月にかけて一般公募を実施し、厳正なる審査のもと、応募者345名から合格者(受講生)126名が選抜されました。
国内プログラムは7月にキックオフを行ない、講義・ワークショップやメンタリング(「メンター」と呼ばれる経験豊富な熟練者が、未熟練者に対し、対話や助言によって本人の成長や事業計画のブラッシュアップを促すこと)、ピッチ大会などを通じ、事業計画のブラッシュアップやプレゼンテーションスキルの向上を図りました。また、国内プログラムと並行して希望者向けに少人数制プログラム「始動カフェ」を行ない、特定テーマについての知見を深めました。
同年12月15日に実施したピッチ大会では、書類審査とピッチ審査の総合評価によってシリコンバレー派遣者20名を決定。選抜された20名は2週間のシリコンバレープログラムに参加し、現地のスタートアップで活躍する起業家や大企業の新事業開発担当者、ベンチャーキャピタリストを訪ね、スモールミーティングやメンタリングを通じて、自身の事業計画の質を高めました。また、シリコンバレー非選抜者のうち31名が「国内フォローアッププログラム」に参加し、国内で引き続き事業計画のブラッシュアップを行ないました。
2019年2月15日の最終成果報告会(DemoDay)では、シリコンバレー派遣者20名と国内フォローアッププログラム参加者20名の計40名によるピッチを行ないました。Demo Dayではそのほかに、ゲストスピーカー講演、アルムナイによる事業紹介ブースの出展およびパネルディスカッションなども実施しました。また、始動2019年度のプログラムにおいては、事務局としてではなくメンタリングのメンターとして受講生のメンタリングや、ピッチ大会に参加し、次世代イノベーション人材の育成支援に協力しました。大和総研では、今後もこのようなイノベーションにつながる事業に参画していきます。