


投資先を選ぶ際に環境や社会性の視点を取り入れることについて、投資家の意識、営業員の意識の現状はどうか。これから大和証券グループの従業員としてできることは何なのか。第一線の現場で活躍する従業員が、率直に語り合いました。(2007年5月31日開催) |
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青井 大和証券グループの投資信託「ダイワ・エコ・ファンド」は国内でも最大規模となり、こういった商品に関心をもたれるお客様は増えていると感じる一方、全く関心がないお客様も多いのが現状です。一般的には、まだまだ投資先を選ぶ際に環境・社会性の視点を含めるという認識は低いと感じます。 |
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川上 お客様には、環境を切り口にしてお話をするというよりも、環境の取組みに積極的で、その結果として業績を上げている企業、という説明をする機会が多いですね。たとえば自動車メーカーがハイブリッドカーを発売し、業績やブランド価値が上がっているといった具体例があって初めて、投資家はその企業に目を向け、投資の判断に結びつくと思います。 |
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柳沢 日本の機関投資家でも、おおむね似たような状況だと思います。「SRI*の重要性は理解できるれども、何をしたらいいのかわからない」という反応です。SRIファンドを運用している人もいますが、それはごく一部で、一般のファンドマネージャーは重要性を感じてはいても、それをどのように投資行動に反映すればよいか迷っている状況だと思います。 |
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花岡 私はお客様とお話をする機会がありますが、お客様の関心はもっぱら株価が上がるか下がるか、ということですので、環境という話題も株価と関連をつけてお話ししないとなかなか聞いていただけませんね。 |
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*SRI (Socially Responsible Investment):社会的責任投資。企業の財務上のパフォーマンスだけでなく、環境対応や社会的な活動、倫理性にいたるまでの総合的な評価を組み入れて、投資する企業を決定する手法。 |
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川上 お客様が銘柄を選定される際に、テーマ性があると非常に受け入れられやすいんです。お客様には、主に長期的な視点を持って運用される方と短期的に運用される方がいます。環境や社会性といったテーマは中長期的に企業の成長性を見て投資をされたいという方に受け入れられやすいと感じています。 |
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花岡 現在、日本株の魅力を見直していただくことに注力していますが、その際にキーとなる要素が環境です。中国をはじめとする新興国が伸びることで、環境破壊やエネルギーの問題が起こっています。これは環境対応ができる企業にとっては大きなビジネスチャンスなんだと説明すると、すんなりと受け入れていただけます。日本の環境技術は世界でもっとも高いレベルにありますので。 |
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柳沢 海外を含め機関投資家というのは個々に考え方が違うので一様にはいえませんが、環境技術に関しては、「世界のなかでも光る技術を持っている企業が日本にはたくさんある」と説明すると、彼らも非常に興味を示します。「これは儲かる話だ」と判断して投資するわけです。 |
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花岡 環境対応できている企業は、環境だけではなく、社内の管理体制もきちんとした会社が多いので、十分投資するに値する企業だと思います。C S Rにきちんと対応しているということから、その企業に対する信頼が生まれますよね。姿勢が好ましく感じられる企業の銘柄を選ぶというのもひとつの判断基準だと思います。 |
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青井 日本の金融教育がまだ十分に浸透していないなかで、社会的視点に立って投資をすることの重要性を伝えていくのも、私たちの大切な役割だと思います。若年層に向けた金融教育の強化に協力し、SRIの考え方を説明していくことも、当社グループができる社会への貢献のひとつだと思います。 |
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川上 社内ではトップの考えが従業員一人ひとりに浸透してきているなと感じます。自分たちは何をすべきかといえば、SRIファンドやエコ・ファンド等を広く認知していただくこと、あるいは環境・CSRを推進している企業に投資家の目を向けていただくことだという意識が高まってきていると思いますし、それが私たちの社会的責任だと思います。 |
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柳沢 SRIは機関投資家に興味を持って聞いてもらえる環境になってきています。若手営業員は、環境問題に関する機関投資家向けセミナーを自発的に企画・開催し、排出権取引や政府の環境対策などについての情報提供を行なっています。 |
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花岡 環境関連の技術や取組みに関する投資情報を積極的に発信していきます。また、当社グループが自社のCSRを重視していることは、当社を理解していただくためにも重要なことだと思います。お客様にご理解いただければ、証券会社を選ぶときに、大和証券を選んでいただけると思います。 |
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青井 大和証券のCSRを形にしていくのは支店だと思うんです。大和証券の全国117の各支店が地方公共団体や市区町村、あるいは地元の小中学校などと協力して環境問題やCSRについて考える場を持つなど、働きかけを行うことが、従業員一人ひとりの意識を向上させ、実際の行動につながっていくと思います。 |
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川上 大和証券には、従業員を表彰する社長賞制度がありますが、今期から特別賞としてボランティア活動で顕著な実績を上げた人に対しボランティア表彰を設けました。これは従業員に対して、社会のために企業の社会的責任として大和証券は何ができるか、という問いかけへのひとつの答えだと思います。あとは幅広く投資家の方を啓発していくことが、私たちの大きな使命だと思います。 |
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SRIファンド*は、社会的視点を持った投資の金融商品です。2007年3月末、大和証券グループの販売したSRIファンドの資産残高は、国内のSRIファンド(総額約3,700億円)の約2割を超える約753億円となり、国内最大級のシェアとなっています。大和証券グループの代表的なSRIファンドには、CSRへの取組みに着目する「ダイワSRIファンド」や、環境への取組みと株主資本の活用状況に注目する「ダイワ・エコ・ファンド」があります。 |
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*SRIファンド:社会的責任投資(Socially Responsible Investment)にもとづいて運用を行う投資信託 |
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■ダイワ・エコ・ファンドの考え方 |
■期間別騰落率(2007年6月末) |
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大和証券グループが注力するダイワ・エコ・ファンドが「持続可能な社会の実現」にどのようにつながっていくのかを考えるため、ファンドを運用するファンドマネージャーの菊池と、企業分析や業界動向の調査などを行うアナリストの北原に対して、投資家や販売担当者とのコミュニケーションを担当する鈴木がインタビューを行いました。(2007年5月28日開催) |
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鈴木 環境への取組みが将来の業績に反映される企業に投資する、ダイワ・エコ・ファンドの組み入れ銘柄を決めるにあたっては、特にどのような点に着目していますか。 |
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菊池 ひとつは、環境に配慮した製品の売上高です。また、企業活動におけるエネルギーや原材料投入量の削減といった環境負荷の削減は、コストの減少、ひいては利益率の向上につながります。 |
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鈴木 環境への取組みが業績に結びついている例として、どんな企業がありますか。 |
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菊池 たとえば、環境負荷物質の計測装置メーカーがあります。このところEUではRoHS*1やREACH*2という化学物質規制が立て続けに施行されています。EU域内で製品を生産・輸入する企業は製品に含まれる有害物質を調べる必要があり、このための蛍光X線装置を生産している企業は実際に売上が伸びています。そのほか、携帯端末などの電子機器に含まれる貴金属のリサイクルや、省エネの事務機器の販売などが伸びています。 |
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鈴木 では、実際に企業の環境への取組みを評価するにあたってはどのような情報を活用していますか。 |
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菊池 外部の専門機関による企業評価のデータをベースに、社内のアナリストからの情報と、自分で調査した結果にもとづいて組み入れ銘柄を決めています。アナリストと一緒に企業を訪問することもあります。訪問先では環境技術やCSRの担当者にも直接インタビューをして、アンケートや企業の発表資料からは読み取れない情報を得ています。 |
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鈴木 企業訪問時に特に注意して見るのはどんな点ですか。 |
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菊池 CSRの意識が従業員に浸透しているか、ということですね。浸透している企業では、環境配慮型製品の開発や販売、工場での環境負荷削減の取組みに従業員が自主的かつ積極的に取り組んでいます。具体的には、環境配慮型製品の研究開発プロセス、また環境教育体制や環境活動の結果を社内にフィードバックする仕組みなどについて質問しています。 |
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鈴木 そうした視点から得られた情報は、どのように投資の判断に活かしているのでしょうか。 |
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菊池 環境教育や環境活動への取組みなどの要素は、短期的な売上や利益に結びつきにくいかもしれませんが、危機管理能力や経営方針の浸透力と結びつき、投資のリスクを減らすことができると思います。企業訪問で感じ取りたいのは、取組みの実効性があるか、また、組織に環境問題や社会問題に対応するDNAがあるかどうかです。そのような企業は「サステナブル」であり、特に中・長期の投資に適すると判断できます。 |
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鈴木 アナリストという立場から企業の行動を見てきて、企業の環境への取組みは変わってきたと感じますか。 |
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北原 大きく変わってきていると思います。かなりの数の企業がすでに経営戦略に環境への取組みを組み込んでおり、8割以上の企業が環境負荷の削減に関して具体的な目標や行動計画を定めています。環境情報を有価証券報告書に載せる企業も少なくありません。 |
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鈴木 企業の姿勢がそのように変化してきたということは、エコファンドだけでなく、環境問題への対応力という視点が投資全般に織り込まれてきているということでしょうか。 |
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北原 環境、社会、ガバナンスのうち、企業価値を測る上でその重要性がすでに十分に認識されているガバナンスと同じように、環境問題への対応力も外すことができない要素になってきています。ただ、環境や社会問題への取組みを定量的に評価するのは難しく、今までの企業調査とは違う切り口で企業を見ることが必要だと思います。 |
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鈴木 環境に対して大きなインパクトを与えている企業が、「持続可能な社会実現」のためにその負荷をできるだけ小さくしようと取り組んでいます。自らの大切なお金を投資するにあたって、企業の社会的責任を考慮に入れて投資判断を行うべきだという考えは日本では9割近い支持を得ているという調査結果※3もあります。今後、より多くの投資家の方とファンドの販売に携わる販売員に向けて、心に響く情報発信を行なっていくことが大和投資信託の重要な使命のひとつだと思っています。 |
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菊池 ダイワ・エコ・ファンドへの投資を通じて、個人投資家の方にも「環境への取組みで頑張っている企業を応援する」という活動の輪を広めていきたいと思います。また、環境への取組みが企業価値の向上につながるということをもっと訴えていきたいですね。 |
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*1 RoHS:EUが2006年7月に施行した、電気・電子機器における特定有害物質の使用制限に関する指令。 |
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