PASSION FOR THE BEST

米国年金基金の株主行動と社会的責任投資

米国年金基金の株主行動と社会的責任投資(前編) 資産運用評価本部 森 祐司

  • 本稿では、米国年金基金の社会的責任投資について、その株主行動を中心に分析を行う。
  • まず今回(前編)は、前半部分で、社会的責任投資と株主行動の分類や概要について整理を行う。実際に米国年金基金が社会的責任投資を行う際には、株主行動による場合が多い。さらに、株主行動の手段としては、経営者との対話、議決権行使、株主提案等が段階的に使い分けられている。
  • 米国年金基金による社会的責任投資の中心的担い手は、公務員年金基金である。企業年金は受託者責任を建前として忌避する傾向が強いが、公務員年金は公共的目的と結びつきやすいことやSRI投資の発展に歴史的関わりがあったことがその背景にある。
  • 公務員年金基金が社会的責任投資を実践する場合には、株主行動による場合が多い。ただし、年金基金による株主行動は件数から見ればあまり多くはないが、その規模が巨大であるが故に、行動を起こした場合の影響度は非常に大きく、その動向は注目に値する。

レポート詳細はこちら
(179KB)

米国年金基金の株主行動と社会的責任投資(後編) 資産運用評価本部 森 祐司

  • 米国の企業年金は受託者責任を建前として議決権行使を忌避する傾向が強いが、企業間関係を背後で考慮しているのではないかという指摘もある。公務員年金基金が、株主行動を起こす理由は、受託者責任やリターンがあるということの他にも、政治的圧力や組織上の問題なども考えることができ、その理由は複雑なものになっている。
  • 公務員年金基金が社会的責任投資を行う場合も、株主行動を起こす理由と符合する。
    社会的責任投資を公務員年金の全てで起こすわけではなく、一部の年金基金に留まる。
    ただし、社会問題を含め、株主行動を起こす場合には、その目的や行動が株主としての長期的利益に合致することを強調し、受託者責任問題に十分な配慮を行っている。
  • 米国の公務員年金を中心とした機関投資家の株主行動について実証分析を行った結果をサーベイすると、株主行動を起こすことで必ずしも明確に効果があがったという結果 は得られていないことがわかった。その結果の解釈は、それでも長期的には株主価値向上につながるという蓋然性があることから積極的に行うべきだという意見や、受託者責 任を果たすことが義務である以上は、いささか問題含みではないかという意見がある。
  • 年金基金が社会的責任投資を行う場合も、その効果は問題となろうが、「企業の社会的責任」を求める株主行動であれば、株主にとっての長期的利益につながるという論理は否定できず、年金基金が社会的責任投資を考慮する余地が生まれる。事実、欧米の公務員年金の一部では、株主行動で考慮するようなガイドラインも散見され、関心が決して低くはないことを窺わせる。

レポート詳細はこちら
(150KB)

PDF PDFのドキュメントをご覧になるには、Adobe Reader Version 4.0以上が必要です。 Version 3.0でご覧になった場合は、正常に動作しない場合がございますのでご注意ください。

Get ADOBE READER

Adobe Readerの最新バージョンは左のボタンから無償でダウンロードできます。

大和のESGレポート集のトップへ戻る

ページトップへ