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対話で考えるCSR | 情報発信

第5回「CSRとフェアトレード」2005年2月25日

<写真>胤森なお子氏

胤森なお子氏
フェアトレードカンパニー(株)
広報ディレクター

フェアトレードカンパニーとは

環境・国際協力NGO「グローバル・ヴィレッジ」の輸入・販売の実務部門として設立。発展途上国の生産者支援活動の一環として、衣料品、手工芸品、食品、日用雑貨などを輸入。東京自由が丘の直営店「ピープル・ツリー」での販売をはじめ、小売店への卸や通信販売などを展開。国際フェアトレード連盟IFAT (International Federation for Alternative Trade)に加盟。

フェアトレード・ラベルとの違いは「顔の見える」関係から出発している点

<写真>胤森氏

河口:
IFATではフェアトレードとは、どう定義されるんですか?

胤森氏:
「貧困のない公正な社会をつくるための、対話と透明性、互いの敬意に基づいた貿易のパートナーシップ」と定義しています。

河口:
先日FLOでもお話をうかがったんですが、FLOと違うのは「対話」とか「顔の見える関係」というところですね。こちらが産直運動の八百屋さんだとすると、FLOは有機農法のJASラベルみたいなものでしょうか?

胤森氏:
おっしゃるとおりだと思います。FLOはニーズとしてマーケティングから生まれているんですよね。どうやって商品を流通させようか、というところから始まっている。IFATは生産者と一緒に活動をしてきた団体のネットワークなので、生産者といかにきちんと付き合っているか、それをどうやって外向けに証明するのか、ということを、今一生懸命やっているところです。目的とするところはそんなに大きくは違わないんですけれども、やり方とか出発点が違うんですよね。

河口:
どっちも必要なんですよね。フェアトレードショップのある自由が丘まで買い物に来ることは限られた人じゃないとできない。そうなると、簡単な日用品ならスーパーにおいてあって、本当にこだわるものなら自由が丘までお出かけして買ってもいいや、というふうに、性格の違う双方の市場が広がっていくといいのかな、と思います。

フェアトレードが実践してきたことはCSRの要素を満たしている

<写真>河口

河口:
フェアトレードはCSR的な面がかなり強いと思いますが、いかがですか?

胤森氏:
私どもも去年ぐらいから、CSRとフェアトレードを結びつけて考えています。フェアトレードは人権や環境を第一に考えるビジネス・モデルを実践してきていますので、私どもが今までやってきたことが、そのままイコールではありませんが、CSRの要素をかなり満たしていると思います。

河口:
IFATでは「フェアトレードの基準」を明文化しているということですが、ここに提示されている項目も、CSRに通じる部分がありますね。これらの項目を守っている団体をIFATとして認証している、ということですか?

胤森氏:
2年に1度、生産者団体や通販のお客様、卸のお取引先といったステークホルダーに活動を評価してもらい、その結果をレポートとして公表しています。例えば、生産者の団体に対して、「私たちが払っている代金に満足していますか?」とか、「私たちの発注頻度に満足していますか?」というようなアンケートをとって、満足度が低い項目については改善方法を探ります。IFATには生産者団体とバイヤー団体が同時に加盟していますから、その団体がフェアな活動をしているかどうかは、取引先の団体がいちばんよくわかっているんですね。

河口:
この自己評価のレポートには、日本国内のユーザーや、卸しているお店の人の意見などもしっかりと入っていて、ステークホルダー・コミュニケーションのお手本のようですね。

 フェアトレードの基準
1. 生産者に仕事の機会を提供する
2. 事業の透明性を保つ
3. 生産者の資質の向上を目指す
4. フェアトレードを推進する
5. 生産者に公正な対価を支払う
6. 性別に関わりなく平等な機会を提供する
7. 安全で健康的な労働条件を守る
8. 子どもの権利を守る
9. 環境に配慮する

胤森氏:
そうです。これを守っていないところは、フェアトレード団体として認められない、ということです。

河口:
認証するためには、どういうチェック体制を取り入れているのですか?

売上は毎年増加。潜在的なニーズはまだまだあるはず。

<写真>胤森氏・河口

<写真>ピープルツリー店舗内

河口:
現在IFATの加盟団体は260団体ということですが、バイヤー団体と生産団体の割合はどれくらいですか?

胤森氏:
3分の2ぐらいが生産者で、3分の1がバイヤー団体です。

河口:
売上の実態はいかがですか?

胤森氏:
フェアトレードカンパニーの売上は毎年増えています。株式会社にした95年の売上が3400万円で、2003年度は6億2000万円ぐらい。2004年度は6億半ばぐらいになる見込みですので前年度比は微増ですが、10年前に比べると20倍ですね。

河口:
伸びがスローダウンしてきたのは、キャパがいっぱい、ということですか?

胤森氏:
フェアトレードはまだまだ一般に知られていませんが、知れば選んでくださる、という消費者の層はもっといらっしゃると思っていますし、少しずつ広がっていく、という動きはしばらく続くと思っています。ただ、無制限にスタッフを増やすこともできませんし、物理的な制約はありますね。

河口:
取り扱いショップは増加しているんですか?

胤森氏:
増えていますね。今まではエコ商品や自然食品を扱うお店の1コーナーで扱われることが多かったんですが、最近はフェアトレード専門店を新規に開きたい、というお引き合いもかなり目立ちますね。

河口:
フェアトレードが少しブランドになってきた、ということですね。売上動向はいかがでしょうか?

胤森氏:
2003年のデータで、卸が6割で、通販が3割、ショップが1割、という売上比率になっています。今後、直営店2号店の開店などの計画もあり、もう少し直販の比率を高めていきます。

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